副業の確定申告で必要な書類は?会社員が準備するものを初心者向けに解説

副業の確定申告で必要な書類は?会社員が準備するものを初心者向けに解説
「副業の確定申告をしたいけど、何を準備すればいい?」
「会社の源泉徴収票は税務署に提出するの?」
「副業の領収書やレシートも、確定申告書と一緒に提出する?」
会社員が初めて副業の確定申告をするとき、迷いやすいのが必要書類です。
確定申告では、副業に関する資料だけではなく、本業の給与や所得控除などに関する情報も使用します。
たとえば、
- 勤務先から交付された源泉徴収票
- 副業の売上が分かる資料
- 経費の領収書やレシート
- 銀行口座やクレジットカードの明細
- 控除を受けるための証明書
- マイナンバーを確認できるもの
などです。
ただし、ここで注意したいのが、
確定申告で使用する資料を、すべて税務署へ提出するわけではない
ということです。
必要なものには、
- 確定申告書と一緒に提出する書類
- 申告内容を入力するために使用する資料
- 提出せずに自分で保存しておく書類
があります。
たとえば、会社員の給与所得を申告する際は、源泉徴収票に記載された金額を使用します。
しかし、給与所得の源泉徴収票は、原則として確定申告書への添付や税務署での提示は不要です。
一方、副業の領収書やレシートも、通常は1枚ずつ確定申告書に添付するものではありません。
ただし、必要経費を計算した根拠として、帳簿や領収書などを整理して保存する必要があります。
結論
会社員が副業の確定申告をするときは、まず次の資料を準備します。
① 本業の給与が分かる資料
→ 勤務先から交付された源泉徴収票
② 副業の収入が分かる資料
→ 売上明細、支払明細、請求書、入金履歴など
③ 副業の経費が分かる資料
→ 領収書、レシート、請求書、利用明細など
④ 所得控除に関する資料
→ 控除証明書、医療費控除の明細書、寄附金の受領証など
⑤ 本人確認や還付に必要な情報
→ マイナンバーに関する情報、還付金を受け取る口座情報など
さらに、副業が事業所得なのか、雑所得なのかによって、確定申告で作成・提出する書類が変わる場合があります。
この記事では、会社員が副業の確定申告をする場合に必要となる書類について、
- 最初に準備したい基本資料
- 源泉徴収票の扱い
- 副業の収入を確認する資料
- 必要経費を確認する資料
- 事業所得と雑所得による違い
- 青色申告と白色申告で必要になる書類
- 領収書やレシートの保存方法
- e-Taxで申告するときに準備するもの
を順番に解説します。
必要書類を確定申告の直前に集めようとすると、売上や経費の確認に時間がかかることがあります。
まずは、どの資料を何のために使用するのか、全体像から確認していきましょう。
※この記事の税務情報は、2026年8月28日時点の国税庁公表資料をもとに確認しています。実際に申告する際は、対象となる年分の最新情報も確認してください。

- 副業の確定申告で必要な書類は人によって違う
- 「提出する書類」と「保存する資料」は違う
- 会社員が最初に準備したい5種類の資料
- 副業の収入を確認するために必要な資料
- 支払調書が届かなくても収入の確認は必要
- 銀行口座への入金額がそのまま売上とは限らない
- 年末の売上は入金日だけで判断しない
- 収入資料が見つからない場合はどうする?
- 副業の必要経費を確認するために準備する書類
- 支払方法ごとに保存する資料を確認する
- 領収書やレシートを紛失した場合はどうする?
- 領収書やレシートは確定申告で提出する?
- メールやWebで受け取った領収書はデータで保存する
- 仕事とプライベートが混ざる費用は分けて計算する
- パソコンなど高額なものは購入金額にも注意する
- 経費を計上する年は支払日だけで決まらない
- 副業の所得区分ごとに提出する書類
- 所得控除を受ける場合に準備する書類
- e-Taxで確定申告するときに準備するもの
- 書面で確定申告するときに準備するもの
- 帳簿や必要書類は会計ソフトで整理できる
- 副業の確定申告で必要な書類チェックリスト
- 副業の確定申告で必要な書類に関するよくある質問
- まとめ|副業の確定申告は書類を3つに分けて整理しよう
- 副業をこれから始める方へ
- 参考文献
副業の確定申告で必要な書類は人によって違う
副業の確定申告で必要になる書類は、すべての会社員が同じではありません。
副業の内容や所得区分、申告方法、利用する所得控除などによって変わります。
たとえば、
- ブログやアフィリエイトによる収入がある
- クラウドソーシングで報酬を受け取った
- アルバイト先から給与を受け取った
- フリマアプリで継続的に商品を販売した
- 青色申告で事業所得を申告する
- 医療費控除や寄附金控除も申告する
といったケースでは、準備する資料が異なる可能性があります。
そのため、インターネットで見つけた必要書類の一覧を、そのまま全員に当てはめることはできません。
最初に副業の所得区分を確認する
必要書類を確認するときは、まず副業による収入がどの所得に該当するのかを確認します。
会社員の副業で関係しやすいのは、主に次の所得です。
- 事業所得
- 業務に係る雑所得
- 給与所得
たとえば、副業が事業所得に該当する場合、確定申告書に加えて、収入や必要経費の内訳を記載した書類を作成します。
青色申告者は青色申告決算書、白色申告者は収支内訳書が基本です。
一方、副業がアルバイトなどの給与所得であれば、副業先から交付された源泉徴収票を使用します。
業務に係る雑所得の場合は、原則として収入と必要経費を計算し、確定申告書へ入力します。
ただし、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円を超えるなど、一定の場合には収支内訳書などの添付が必要です。
副業が事業所得と雑所得のどちらに該当するのかは、本人が有利なほうを自由に選べるわけではありません。
実際の業務内容や規模、継続性、帳簿の保存状況などを踏まえて確認する必要があります。
事業所得と雑所得の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
申告方法によっても準備するものが変わる
確定申告には、主にe-Taxで送信する方法と、書面で提出する方法があります。
e-Taxを利用する場合は、マイナンバーカードや対応するスマートフォンなどを使って申告できる方法があります。
また、マイナポータル連携を利用すると、一定の条件を満たす給与や医療費、ふるさと納税などの情報を取得し、申告書へ自動入力できる場合があります。
ただし、すべての副業収入や必要経費が自動で反映されるわけではありません。
副業の売上や経費については、自分で資料を集めて計算する必要があります。
書面で提出する場合は、申告内容に応じた本人確認書類の提示や、写しの添付が必要になる場合があります。
このように、
「何を申告するのか」
「どの方法で提出するのか」
によっても、準備するものが変わります。
必要書類を確認する順番
① 副業の所得区分を確認する
② 青色申告か白色申告か確認する
③ 利用する所得控除を確認する
④ e-Taxか書面提出かを決める
この4つを整理すると、自分に必要な書類を判断しやすくなります。
「提出する書類」と「保存する資料」は違う
副業の確定申告では、書類の役割を分けて考えることが重要です。
大きく分けると、次の3種類があります。
確定申告書と一緒に提出する書類
1つ目は、確定申告書と一緒に提出する書類です。
代表的なものには、
- 青色申告決算書
- 収支内訳書
- 医療費控除の明細書
- 申告内容に応じた各種計算明細書
- 一定の所得控除を受けるための証明書
などがあります。
ただし、実際に必要になる書類は申告内容によって異なります。
会社員だから全員が青色申告決算書や収支内訳書を提出するわけではありません。
申告書を作成するために使用する資料
2つ目は、確定申告書を作成するために使用する資料です。
たとえば、
- 本業や副業先の源泉徴収票
- 副業の売上明細
- 報酬の支払明細
- 銀行口座への入金履歴
- クレジットカードの利用明細
などがあります。
これらは、収入金額や源泉徴収税額、必要経費などを正しく入力するために使用します。
資料に記載された金額を確認して申告書へ入力しますが、すべての資料をそのまま税務署へ提出するわけではありません。
提出せずに自分で保存する資料
3つ目は、確定申告書には添付せず、自分で保存しておく資料です。
副業の経費に関する、
- 領収書
- レシート
- 請求書
- 納品書
- 契約書
- 取引明細
などが該当します。
確定申告で領収書を提出しないからといって、処分してよいわけではありません。
収入や必要経費を正しく計算した根拠として、帳簿と一緒に整理して保存します。
国税庁では、事業所得などがある白色申告者について、収入金額や必要経費を記載した帳簿は7年間、請求書や領収書などの書類は原則として5年間保存することを案内しています。
青色申告者は、帳簿や書類の種類によって保存期間が異なります。
また、電子メールやWebサイトから受け取った請求書・領収書などの電子取引データは、電子帳簿保存法に沿った方法で保存する必要があります。
書類の保存期間や電子データの扱いについては、申告方法とあわせて後半で詳しく解説します。

必要書類は3つに分けて整理する
提出する書類
→ 確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書、各種明細書など
入力に使用する資料
→ 源泉徴収票、売上明細、入金履歴、利用明細など
自分で保存する資料
→ 帳簿、領収書、レシート、請求書など
会社員が最初に準備したい5種類の資料
必要書類は人によって異なりますが、会社員が副業の確定申告をする場合は、最初に5種類へ分けると整理しやすくなります。
① 本業の源泉徴収票
会社員は、勤務先から交付された給与所得の源泉徴収票を準備します。
源泉徴収票には、主に、
- 支払金額
- 給与所得控除後の金額
- 所得控除の額の合計額
- 源泉徴収税額
- 社会保険料等の金額
などが記載されています。
これらの情報を確定申告書へ入力するため、源泉徴収票の内容を確認できる状態にしておきましょう。
現在は、給与所得の源泉徴収票を確定申告書へ添付したり、税務署へ提示したりする必要はありません。
ただし、添付が不要でも、申告書を正しく作成するために使用します。
税務署などの確定申告会場で申告書を作成する場合も、源泉徴収票を持参しておくと確認しやすくなります。
② 副業の収入が分かる資料
次に、副業でいくら収入を得たのか確認できる資料を集めます。
たとえば、
- 売上台帳
- 取引先へ発行した請求書
- 取引先から受け取った支払明細
- クラウドソーシングの売上明細
- ASPや広告サービスの報酬画面
- ネットショップや販売サイトの売上履歴
- 銀行口座への入金履歴
などです。
通帳に入金された金額だけを合計すると、手数料が差し引かれた後の金額を売上として計算してしまう場合があります。
そのため、入金額だけではなく、サービス上の売上金額や手数料の内訳も確認しましょう。
また、12月中に仕事を完了していても、実際の入金が翌年になるケースがあります。
収入をどの年分に計上するのかは、所得区分や取引の状況などによって確認が必要です。
入金日だけで判断せず、請求日や仕事の完了日なども記録しておくと整理しやすくなります。
③ 副業の経費が分かる資料
副業の所得を計算するためには、収入だけではなく必要経費も確認します。
代表的な資料には、
- 領収書やレシート
- 請求書
- クレジットカードの利用明細
- 銀行口座の振込履歴
- 通販サイトの購入履歴
- サーバーやソフトの利用明細
などがあります。
ただし、クレジットカードの利用明細に記載されている支出が、すべて必要経費になるわけではありません。
その副業の収入を得るために必要な支出なのかを確認し、プライベートの支出と分ける必要があります。
自宅の家賃や通信費など、仕事とプライベートの両方で使用している費用については、家事按分が関係する場合があります。
副業の必要経費と家事按分については、こちらの記事で詳しく解説しています。
④ 所得控除に関する資料
確定申告では、副業の収入や経費だけでなく、所得控除に関する書類が必要になる場合があります。
たとえば、
- 医療費控除の明細書
- 国民年金保険料の控除証明書
- 生命保険料や地震保険料の控除証明書
- 寄附金の受領証
- ふるさと納税に関する証明書
などです。
ただし、勤務先の年末調整ですでに適用を受けており、内容に変更がない控除については、同じ証明書を改めて提出する必要がない場合があります。
一方、年末調整で申告していない控除や、確定申告で新たに適用を受ける控除がある場合は、必要な証明書や明細書を確認します。
⑤ マイナンバーと還付口座に関する情報
確定申告書には、申告する本人のマイナンバーを記載します。
書面で確定申告書を提出する場合は、提出方法や状況に応じて、マイナンバーカードなどの本人確認書類の提示または写しの添付が必要です。
マイナンバーカードを持っていない場合は、番号確認書類と身元確認書類を組み合わせる方法があります。
また、所得税の還付金を受け取る場合は、申告者本人名義の金融機関口座が分かるものも準備します。
確定申告を始める前に、
- マイナンバーを確認できるもの
- 本人確認に使用するもの
- 還付金を受け取る口座情報
も一緒に確認しておきましょう。
会社員が最初に集めるもの
① 本業の源泉徴収票
② 副業の売上・報酬資料
③ 副業の経費資料
④ 控除に関する証明書
⑤ マイナンバー・還付口座情報
最初に5つのグループへ分けると、必要書類の不足を確認しやすくなります。
次は、副業の収入を証明・確認するために、具体的にどの資料を集めればよいのかを詳しく見ていきます。
ブログ、クラウドソーシング、物販、アルバイトなど、副業の種類ごとに確認していきましょう。
副業の収入を確認するために必要な資料
副業の確定申告では、1年間に得た収入を集計します。
そのため、最初に集めたいのが、副業の売上や報酬が分かる資料です。
収入を確認する資料は、副業の種類によって異なります。
たとえば、
- 売上台帳
- 請求書の控え
- 取引先から受け取った支払明細
- クラウドソーシングの取引履歴
- ASPや広告サービスの報酬明細
- ネットショップの売上履歴
- 銀行口座の入金履歴
などです。
大切なのは、銀行口座へ入金された金額だけではなく、
- いつ売上が発生したのか
- 誰から受け取ったのか
- 何の仕事で得た収入なのか
- 売上や報酬の総額はいくらか
- 手数料はいくら差し引かれたのか
- 源泉徴収された税額はいくらか
まで確認できる状態にすることです。
副業収入の確認に必要な情報
① 取引日
② 取引先
③ 仕事や商品の内容
④ 売上・報酬の総額
⑤ 手数料や源泉徴収税額
⑥ 入金日と入金額
売上画面と銀行口座の入金履歴を照合すると、集計漏れを見つけやすくなります。
ブログ・アフィリエイト収入の場合
ブログやアフィリエイトで収入を得ている場合は、ASPや広告サービスの管理画面を確認します。
準備する資料の例は、次のとおりです。
- ASPの報酬明細
- 成果確定履歴
- 広告サービスの支払明細
- 銀行口座への入金履歴
- 振込手数料などの明細
管理画面には、
- 未確定報酬
- 確定報酬
- 振込予定額
- 実際の振込額
など、複数の金額が表示されることがあります。
そのため、管理画面に表示された金額を、そのまま合計するだけでは正しく集計できない場合があります。
未確定の成果がキャンセルされたり、確定した報酬が翌年に振り込まれたりするケースもあるためです。
報酬がどの時点で確定するのか、利用しているサービスの規約や取引状況も確認しましょう。
確定申告の前には、管理画面から1年間の報酬履歴をダウンロードするか、画面を保存しておくと確認しやすくなります。
クラウドソーシング・スキル販売の場合
クラウドソーシングやスキル販売サービスを利用している場合は、サービス内の取引履歴を確認します。
準備したい資料は、次のとおりです。
- 契約内容が分かる画面や書類
- 仕事の完了・検収が分かる履歴
- 売上や報酬の明細
- システム利用料の明細
- 源泉徴収税額が分かる明細
- 銀行口座への振込履歴
クラウドソーシングでは、報酬からシステム利用料や振込手数料などが差し引かれることがあります。
そのため、銀行口座への入金額だけでは、報酬の総額を確認できない可能性があります。
取引履歴から、
報酬総額・手数料・源泉徴収税額・実際の入金額
を分けて確認しましょう。
複数のサービスを利用している場合は、サービスごとに年間の売上を集計します。
ネットショップ・フリマ・物販の場合
ネットショップやフリマアプリなどで商品を販売している場合は、販売履歴や注文履歴を確認します。
準備する資料の例は、次のとおりです。
- 商品ごとの販売履歴
- 注文内容が分かる資料
- 売上金の明細
- 販売手数料の明細
- 送料や配送費の明細
- キャンセル・返品・返金の履歴
- 銀行口座への入金履歴
物販では、売上金額と実際の振込額が異なるケースがあります。
販売手数料や送料などが差し引かれてから、売上金が振り込まれることがあるためです。
また、年末に販売した商品が翌年に入金されるケースもあります。
入金日だけで判断せず、商品を販売した日や引き渡した日、取引が完了した日なども確認できる状態にしておきましょう。
note・電子書籍・デジタルコンテンツ販売の場合
noteや電子書籍、テンプレートなどのデジタルコンテンツを販売している場合も、サービスの売上管理画面を確認します。
準備する資料の例は、次のとおりです。
- コンテンツごとの販売履歴
- 月ごとの売上明細
- 販売手数料や決済手数料の明細
- 返金・キャンセルの履歴
- 売上金の振込履歴
売上金をサービス内に残したまま、銀行口座へ振り込んでいない場合もあります。
しかし、銀行口座へ振り込んでいないという理由だけで、売上に含めなくてよいとは限りません。
売上が確定した時点や出金できる状態になった時点など、サービスの仕組みと取引状況を確認する必要があります。
確定申告の直前に確認できなくならないように、月ごとの売上明細を保存しておきましょう。
アルバイト・パートの副業の場合
本業とは別の勤務先でアルバイトやパートをしている場合、その収入は給与所得に該当することがあります。
この場合は、副業先から交付された給与所得の源泉徴収票を準備します。
源泉徴収票には、
- 副業先から支払われた給与
- 源泉徴収された所得税
- 社会保険料等の金額
などが記載されています。
本業と副業の勤務先がある場合は、それぞれの源泉徴収票を確認します。
副業先が複数ある場合は、原則として勤務先ごとに源泉徴収票を集めましょう。
なお、アルバイトの給与を、業務に係る雑所得の売上として計算するものではありません。
雇用契約に基づいて給与を受け取っている場合は、給与所得として申告内容を確認します。

副業タイプ別の主な資料
ブログ・アフィリエイト
→ ASPや広告サービスの報酬明細
クラウドソーシング
→ 取引履歴、報酬明細、手数料明細
物販・ネットショップ
→ 販売履歴、売上明細、返品・返金履歴
コンテンツ販売
→ 販売管理画面、決済・振込明細
アルバイト・パート
→ 副業先の給与所得の源泉徴収票
支払調書が届かなくても収入の確認は必要
取引先から報酬を受け取っていると、年明けに「支払調書」が届くことがあります。
支払調書には、取引先から支払われた報酬や、源泉徴収された税額などが記載されています。
そのため、確定申告で収入金額を確認する資料として利用できます。
しかし、支払調書は必ず本人へ交付されるとは限りません。
国税庁は、報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書について、所得税法上、報酬を受け取った本人へ交付する義務はないと案内しています。
つまり、
「支払調書が届いていないから、確定申告できない」
というわけではありません。
支払調書が届いていない場合も、
- 請求書の控え
- 取引先の支払明細
- 契約内容
- 銀行口座の入金履歴
- 自分で作成した売上台帳
などを使って、実際の収入金額を集計します。
支払調書の金額だけに頼らない
支払調書を受け取った場合も、その金額だけで確定申告を終わらせないようにしましょう。
取引先が複数ある場合は、すべての収入が1枚の支払調書にまとまっているわけではありません。
また、支払調書が交付されない取引先や、支払調書の提出対象にならない取引が含まれる可能性もあります。
そのため、自分で記録した売上台帳や入金履歴と照合することが重要です。
源泉徴収税額も確認する
副業の報酬によっては、取引先が所得税等を源泉徴収してから支払う場合があります。
この場合、実際の入金額は報酬総額より少なくなります。
確定申告では、収入金額だけではなく、すでに源泉徴収された税額も確認します。
源泉徴収税額は、支払調書や報酬明細、取引先からの支払通知などで確認しましょう。
金額を確認できない場合は推測で入力せず、取引先へ確認することが大切です。
支払調書がなくても申告は必要
支払調書は、本人への交付が義務付けられている書類ではありません。
支払調書が届かない場合も、請求書、取引履歴、入金明細、売上台帳などから実際の収入を集計します。
支払調書がないことを、収入を申告しなくてよい理由にはできません。
銀行口座への入金額がそのまま売上とは限らない
副業の収入を集計するときに注意したいのが、売上金額と入金額の違いです。
副業サービスによっては、売上から手数料などが差し引かれた金額が銀行口座へ振り込まれます。
たとえば、
売上:10万円
サービス利用料:1万円
銀行口座への入金:9万円
だったとします。
この場合、銀行口座に入った9万円だけを見て、売上を9万円と判断すると、サービス上の売上総額と一致しません。
基本的には売上明細を確認し、売上総額と差し引かれた手数料を分けて整理します。
その手数料が副業の収入を得るために必要な支出であれば、必要経費として扱える可能性があります。
売上と入金額が違う例
売上:10万円
サービス利用料:1万円
銀行口座への入金:9万円
入金額だけではなく、売上総額と手数料の内訳を確認しましょう。
源泉徴収されていると入金額はさらに少なくなる
報酬から所得税等が源泉徴収されている場合も、銀行口座への入金額は報酬総額より少なくなります。
そのため、通帳に記載された入金額だけを売上として集計すると、報酬総額や源泉徴収税額を正しく反映できない可能性があります。
報酬明細などで、
- 報酬総額
- 差し引かれた手数料
- 源泉徴収税額
- 実際の振込額
を分けて確認しましょう。
キャンセルや返金も確認する
物販やコンテンツ販売では、売上が発生した後にキャンセルや返金が行われる場合があります。
売上管理画面に最初の販売金額が残っていても、その後に返金されている可能性があります。
年間売上を集計するときは、販売履歴だけではなく、キャンセル・返品・返金の履歴も確認しましょう。

年末の売上は入金日だけで判断しない
12月に仕事や商品の販売が完了し、代金が翌年1月に振り込まれることがあります。
この場合、入金が翌年だからといって、必ず翌年分の収入になるとは限りません。
国税庁は、その年の収入金額について、年末までに実際に代金を受け取っていなくても、原則として収入すべき権利が確定した金額を含めると案内しています。
たとえば、12月20日に商品を販売し、代金を翌年1月10日に受け取った場合、原則として商品を販売した年の収入になります。
ただし、収入を計上する時期は、
- 取引の内容
- 契約条件
- 商品の引渡日
- 仕事の完了日
- 検収日
- 報酬が確定した日
などによって確認が必要です。
そのため、銀行口座の入金日だけではなく、請求書や取引履歴、仕事の完了記録なども保存しておきましょう。
年をまたぐ取引で確認するもの
① 契約内容
② 商品の販売・引渡日
③ 仕事の完了・検収日
④ 報酬の確定日
⑤ 請求日と入金日
入金日だけで判断できない場合は、取引内容をもとに確認します。
収入資料が見つからない場合はどうする?
確定申告の準備を始めたものの、売上明細や支払明細が見つからないこともあります。
その場合は、まず次の場所を確認しましょう。
- 副業サービスの管理画面
- 登録しているメールアドレス
- 銀行口座の入金履歴
- クレジットカードや決済サービスの履歴
- 取引先へ送った請求書の控え
- クラウド上に保存したファイル
サービスによっては、過去の売上履歴をCSVなどでダウンロードできる場合があります。
管理画面で確認できない場合は、サービスの運営会社や取引先へ問い合わせましょう。
金額が分からないからといって、おおよその金額を推測して申告するのは避けます。
確認できた取引記録を集め、売上台帳と照合しながら正確な金額を整理しましょう。
次は、副業の必要経費を確認するために準備する書類を見ていきます。
領収書、レシート、クレジットカード明細、銀行口座の履歴などを、どのように整理すればよいのか解説します。
副業の必要経費を確認するために準備する書類
副業の所得は、基本的に収入から必要経費を差し引いて計算します。
収入 - 必要経費 = 所得
必要経費を正しく計算するためには、支出の内容が分かる書類を集める必要があります。
たとえば、
- 領収書
- レシート
- 請求書
- 納品書
- クレジットカードの利用明細
- 銀行口座の振込履歴
- 通販サイトの購入履歴
- メールで受け取ったPDFの請求書
などです。
ただし、書類がある支出をすべて必要経費にできるわけではありません。
必要経費として考えるためには、基本的に副業の収入を得るために必要な支出なのかを確認します。
国税庁では、事業所得や雑所得などの必要経費として、
- 総収入金額を得るために直接必要となった費用
- その年に発生した販売費や一般管理費
- そのほか業務上必要となった費用
などを挙げています。
そのため、領収書やレシートを保存するだけではなく、何のために支払ったのか分かるように整理することが重要です。
経費資料で確認する内容
① 支払日
② 支払先
③ 支払金額
④ 購入した商品やサービス
⑤ 副業との関係
⑥ 支払方法
「いつ・どこで・何に・いくら支払ったのか」を確認できる状態にしましょう。
領収書とレシート
現金で商品やサービスを購入した場合は、領収書やレシートを保存します。
領収書には支払金額や支払先が記載されていますが、「品代として」など、購入内容が具体的に分からないことがあります。
一方、レシートには購入した商品名や数量が記載されている場合があります。
そのため、領収書だけでなく、取引内容が分かるレシートや納品書なども一緒に保存すると確認しやすくなります。
領収書やレシートを受け取ったら、時間が経って内容を忘れる前に、
- ブログ運営用の書籍
- 取材先までの交通費
- 発送に使用した梱包資材
- 仕事用ソフトの利用料
など、副業との関係を帳簿やメモに記録しておきましょう。
請求書や納品書
取引先やサービス会社から請求書を受け取った場合は、その請求書も保存します。
請求書には、
- 取引先名
- 請求日
- 取引内容
- 請求金額
- 支払期限
などが記載されています。
請求書だけでは実際に支払ったか確認できない場合もあるため、銀行口座の振込履歴やクレジットカードの利用明細などと一緒に確認しましょう。
商品を購入した場合は、納品書や注文履歴も残しておくと、購入内容を確認しやすくなります。
支払方法ごとに保存する資料を確認する
副業の経費資料は、現金、クレジットカード、銀行振込など、支払方法によって異なります。
一つの資料だけで取引内容を確認できない場合は、複数の資料を組み合わせて保存しましょう。
現金で支払った場合
現金で支払った場合は、領収書やレシートを保存します。
帳簿には、
- 支払日
- 支払先
- 支払金額
- 購入内容
- 経費科目
などを記録します。
領収書に購入内容が詳しく書かれていない場合は、レシートや納品書なども一緒に保存しましょう。
クレジットカードで支払った場合
クレジットカードで支払った場合は、カード会社の利用明細を確認します。
ただし、利用明細には店舗名と金額だけが記載され、購入した商品やサービスの内容が分からないことがあります。
そのため、利用明細だけではなく、
- 領収書やレシート
- 請求書
- 通販サイトの注文履歴
- 購入確認メール
- サービスの利用明細
なども一緒に保存すると確認しやすくなります。
また、カードを利用した日と、銀行口座から代金が引き落とされる日は異なります。
経費をどの年分に計上するのかを、銀行口座から引き落とされた日だけで判断しないようにしましょう。
銀行振込・口座振替で支払った場合
銀行振込で支払った場合は、振込明細や通帳、インターネットバンキングの取引履歴を保存します。
振込履歴だけでは、何の代金を支払ったのか分からないことがあります。
そのため、請求書や契約書、取引先とのメールなど、支払内容が分かる資料と一緒に整理しましょう。
サーバー代やソフト利用料などを口座振替で支払っている場合も、銀行口座の履歴だけではなく、サービス会社の請求明細や契約内容を保存します。
電子マネー・スマホ決済で支払った場合
電子マネーやスマホ決済を利用した場合は、アプリやサービスの利用履歴を確認します。
利用履歴には、
- 支払日
- 支払先
- 支払金額
などが記録されている場合があります。
ただし、購入内容が分からない場合は、店舗のレシートや注文履歴なども保存しましょう。
アプリによっては過去の履歴を確認できる期間が限られている可能性があります。
必要な取引明細は、定期的にダウンロードするか、確認できる状態で保存しておくことが大切です。

支払方法別の主な資料
現金
→ 領収書、レシート、納品書
クレジットカード
→ 利用明細、領収書、注文履歴
銀行振込・口座振替
→ 振込履歴、通帳、請求書
電子マネー・スマホ決済
→ アプリの利用履歴、レシート
一つの資料だけで取引内容が分からない場合は、複数の資料を組み合わせて保存しましょう。
領収書やレシートを紛失した場合はどうする?
副業に必要な支出をしたものの、領収書やレシートを紛失してしまうこともあります。
その場合は、まず購入先へ再発行が可能か確認しましょう。
再発行できない場合は、次の資料が残っていないか確認します。
- クレジットカードの利用明細
- 銀行口座の振込履歴
- 通販サイトの注文履歴
- 購入確認メール
- 請求書や納品書
- 取引先とのメッセージ
これらの資料から取引内容を確認できる場合は、支払日、支払先、金額、内容、副業との関係を帳簿に記録します。
自分で支払記録を作れば必ず経費になるわけではない
領収書がない場合に、自分で支払記録や出金伝票を作成する方法を見かけることがあります。
しかし、出金伝票や自分で作ったメモがあれば、必ず必要経費として認められるわけではありません。
大切なのは、実際にその支出が発生し、副業の収入を得るために必要だったことを客観的に確認できるかどうかです。
そのため、出金伝票などを作成する場合も、
- 交通系ICカードの利用履歴
- 訪問先とのメール
- 打ち合わせの記録
- イベントやセミナーの案内
- 銀行口座や決済サービスの履歴
など、取引を確認できる資料があれば一緒に保存しましょう。
領収書を紛失した場合
① 購入先へ再発行を確認する
② 注文履歴や利用明細を探す
③ 支払日・支払先・金額・内容を記録する
④ 副業との関係が分かる資料を残す
金額や購入内容を推測して経費へ入れるのは避けましょう。
領収書やレシートは確定申告で提出する?
副業の必要経費として計算した領収書やレシートは、通常、確定申告書に1枚ずつ添付して提出するものではありません。
ただし、提出しないからといって、確定申告が終わった後に処分してよいわけではありません。
収入や必要経費を記載した帳簿とともに、決められた期間保存する必要があります。
税務署から申告内容について確認を求められた場合に、支出の内容を説明できる状態にしておきましょう。
白色申告の帳簿・書類の保存期間
国税庁では、事業所得などがある白色申告者について、主な保存期間を次のように案内しています。
収入金額や必要経費を記載した法定帳簿
→ 7年間
業務に関して作成した任意帳簿
→ 5年間
請求書・納品書・領収書などの書類
→ 5年間
帳簿や書類の種類によって保存期間が異なるため、保存する際は短期間で処分しないように注意しましょう。
青色申告も帳簿や書類の保存が必要
青色申告者も、帳簿や決算関係書類、領収書などを保存する必要があります。
国税庁の資料では、個人の青色申告者について、帳簿や決算関係書類は原則7年間とされています。
領収証や預金通帳などの現金預金取引等関係書類も原則7年間ですが、前々年分の事業所得などの金額が300万円以下の場合は5年間となる取扱いがあります。
請求書、見積書、契約書、納品書など、そのほかの書類は5年間が基本です。
ただし、消費税の課税事業者として保存する請求書など、別の保存期間が関係する場合もあります。
自分の申告方法や保存する書類の種類に合わせて確認しましょう。

確定申告が終わっても書類は処分しない
確定申告で領収書を提出しない場合でも、帳簿や請求書、領収書などは一定期間保存します。
保存期間は、
- 青色申告か白色申告か
- 帳簿や書類の種類
- 事業所得などの金額
- 消費税の課税事業者か
などによって異なる場合があります。
メールやWebで受け取った領収書はデータで保存する
現在は、副業に関する請求書や領収書を、紙ではなく電子データで受け取るケースが増えています。
たとえば、
- メールに添付されたPDFの請求書
- 通販サイトからダウンロードした領収書
- クラウドサービス上で発行された利用明細
- スマホ決済アプリの取引明細
- Webサイト上で受け取った請求データ
などです。
所得税法上、帳簿書類の保存義務がある人が、請求書や領収書などの取引情報を電子データで受け取った場合は、電子帳簿保存法に沿ってデータを保存します。
紙に印刷すること自体は禁止されていませんが、PDFなどのデータで受け取った場合は、原則としてその電子データも保存する必要があります。
サービス上のデータを早めに保存する
Webサイトやアプリ上の領収書は、いつまでも確認できるとは限りません。
サービスを解約したり、アカウントが利用できなくなったりすると、過去の資料をダウンロードできなくなる可能性があります。
そのため、月ごとなど一定のタイミングで、
- 請求書
- 領収書
- 利用明細
- 売上明細
を保存しておきましょう。
ファイル名に日付、支払先、金額などを入れると、後から検索しやすくなります。
たとえば、
2026-08-15_サーバー代_1,100円.pdf
のように統一しておくと、取引内容を確認しやすくなります。
仕事とプライベートが混ざる費用は分けて計算する
会社員の副業では、自宅やスマートフォンなどを仕事とプライベートの両方で使用することがあります。
たとえば、
- 自宅の家賃
- 電気代
- インターネット料金
- スマートフォン料金
- 自家用車の費用
などです。
これらの費用を支払っているからといって、全額を必要経費にできるわけではありません。
国税庁は、家事上と業務上の両方に関係する費用について、取引の記録などに基づき、業務上直接必要だった部分を明確に区分できる場合、その区分した金額を必要経費にできると案内しています。
そのため、家事按分を行う場合は、
- 使用時間
- 使用日数
- 使用面積
- 通信量
など、按分割合を決めた根拠も記録しておきましょう。
家事按分については、こちらの記事で詳しく解説しています。
パソコンなど高額なものは購入金額にも注意する
副業用にパソコン、カメラ、デスクなどを購入することもあります。
しかし、高額なものを購入した場合、支払った金額を購入した年にすべて必要経費へ入れられるとは限りません。
取得価額や使用状況などによっては、固定資産として計上し、減価償却によって複数年に分けて必要経費にする場合があります。
そのため、高額なものを購入したときは、
- 領収書や請求書
- 購入日
- 購入金額
- 商品名や型番
- 使用開始日
- 仕事で使用する割合
などを記録しておきましょう。
副業の減価償却については、こちらの記事で詳しく解説しています。
経費を計上する年は支払日だけで決まらない
年末に商品やサービスを利用し、支払いが翌年になることがあります。
必要経費をどの年分に計上するのかは、実際にお金を支払った日だけで決まるとは限りません。
国税庁では、必要経費に算入する金額について、原則としてその年に債務が確定した金額と案内しています。
債務が確定したと判断するためには、12月31日までに、
- 債務が成立していること
- 支払いの原因となる事実が発生していること
- 金額を合理的に計算できること
の3つを満たす必要があります。
その年に支払った場合でも、債務が確定していなければ、その年の必要経費にならないことがあります。
反対に、まだ支払っていない場合でも、その年に債務が確定していれば、その年の必要経費になる場合があります。
年をまたぐ取引については、請求書の日付やサービスの利用期間、商品の受取日などを確認しましょう。
経費資料を整理する5つのポイント
① 支払内容が分かる資料を残す
② 支払方法ごとの明細を保存する
③ 領収書を確定申告後も保存する
④ 電子で受け取った資料はデータで保存する
⑤ 仕事と私生活の費用を分ける
領収書を集めるだけでなく、帳簿の金額と照合できる状態にしましょう。
次は、事業所得・雑所得・給与所得ごとに提出する書類の違いを確認します。
青色申告決算書、収支内訳書、源泉徴収票などを、どのケースで使用するのか整理していきましょう。
副業の所得区分ごとに提出する書類
副業の確定申告で提出する書類は、副業の所得区分によって変わります。
会社員の副業で関係しやすいのは、
- 事業所得
- 業務に係る雑所得
- 給与所得
の3つです。
必要書類を準備する前に、自分の副業がどの所得に該当するのか確認しましょう。
事業所得を青色申告する場合
副業が事業所得に該当し、青色申告を行う場合は、主に次の書類を作成します。
- 所得税及び復興特別所得税の確定申告書
- 青色申告決算書
- 申告内容に応じた各種明細書・証明書
青色申告決算書には、1年間の売上や必要経費、所得金額などを記載します。
青色申告特別控除の適用を受ける場合は、控除額に応じた記帳や提出方法などの要件も確認する必要があります。
たとえば、65万円の青色申告特別控除を受ける場合は、複式簿記による記帳などに加えて、期限内のe-Tax申告または一定の電子帳簿保存が関係します。
青色申告だから自動的に最大額の控除を受けられるわけではありません。
青色申告と白色申告の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
事業所得を白色申告する場合
副業が事業所得に該当し、青色申告者ではない場合は、白色申告として申告します。
主に作成する書類は、次のとおりです。
- 所得税及び復興特別所得税の確定申告書
- 収支内訳書
- 申告内容に応じた各種明細書・証明書
収支内訳書には、
- 売上金額
- 仕入金額
- 必要経費
- 減価償却費
- 所得金額
などを記載します。
白色申告でも、売上や必要経費を記録した帳簿の作成と保存が必要です。
「白色申告なら帳簿を作らなくてよい」というわけではありません。
業務に係る雑所得の場合
副業が業務に係る雑所得に該当する場合は、基本的に、
総収入金額 - 必要経費 = 業務に係る雑所得
として所得を計算します。
売上明細や必要経費の資料を集め、収入金額と必要経費を確定申告書へ入力します。
ただし、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円を超える人が確定申告書を提出する場合は、収支内訳書などの添付が必要です。
また、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える場合は、請求書や領収書などのうち、現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります。
収入金額の基準は「所得」ではなく、必要経費を差し引く前の収入金額で判断します。
副業が給与所得の場合
副業先と雇用契約を結び、アルバイトやパートとして給与を受け取っている場合は、給与所得に該当することがあります。
この場合は、副業先から交付された給与所得の源泉徴収票を使用します。
本業と副業の勤務先がある場合は、それぞれの源泉徴収票に記載された、
- 給与の支払金額
- 源泉徴収税額
- 社会保険料等の金額
などを確認します。
給与所得の源泉徴収票は、確定申告書への添付や税務署での提示は原則不要です。
ただし、確定申告書を作成するために記載内容を使用するため、手元に準備しておきましょう。
所得区分別の主な書類
事業所得・青色申告
→ 確定申告書+青色申告決算書
事業所得・白色申告
→ 確定申告書+収支内訳書
業務に係る雑所得
→ 確定申告書へ収入・経費を入力
※前々年の収入金額が1,000万円を超える場合は収支内訳書などを添付
給与所得
→ 本業・副業先の源泉徴収票を使用して入力
所得控除を受ける場合に準備する書類
会社員が副業の確定申告をする場合は、副業の収入や経費だけではなく、所得控除も確認します。
所得控除とは、一定の要件を満たす場合に、所得金額から一定額を差し引く仕組みです。
利用する控除によって、証明書や明細書が必要になる場合があります。
年末調整で適用済みの控除
会社員は、勤務先の年末調整ですでに一部の所得控除を受けている場合があります。
源泉徴収票には、年末調整で反映された社会保険料や生命保険料などの情報が記載されています。
年末調整で適用を受けた内容に変更がない場合は、同じ控除証明書を確定申告で改めて提出する必要がない場合があります。
まず本業の源泉徴収票を確認し、どの控除が反映されているのか確認しましょう。
医療費控除を受ける場合
医療費控除を受ける場合は、医療費控除の明細書を作成します。
医療費の領収書を確定申告書へ1枚ずつ添付する方法ではありません。
ただし、領収書は確定申告期限等から5年間、自宅などで保存する必要があります。
医療費通知の内容を利用する場合や、マイナポータル連携を利用する場合は、入力・添付方法が変わることがあります。
社会保険料控除を追加する場合
勤務先の年末調整に含まれていない国民年金保険料などを申告する場合は、控除証明書などを準備します。
年末調整ですでに控除を受けている保険料を、重ねて入力しないように注意しましょう。
生命保険料控除・地震保険料控除を追加する場合
年末調整で申告していない生命保険料や地震保険料がある場合は、保険会社から交付された控除証明書を確認します。
勤務先の年末調整ですでに適用されている場合は、源泉徴収票の内容を確認します。
寄附金控除を受ける場合
寄附金控除を受ける場合は、寄附先から交付された受領証や、一定の証明書などを準備します。
ふるさと納税でワンストップ特例を申請していても、副業などを理由に所得税の確定申告を行う場合は注意が必要です。
確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になるため、確定申告にふるさと納税の寄附金控除も含めます。
控除資料を確認する順番
① 源泉徴収票で年末調整の内容を確認する
② 年末調整に入っていない控除を確認する
③ 必要な証明書・明細書を集める
④ 同じ控除を二重に入力しない
e-Taxで確定申告するときに準備するもの
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、画面の案内に沿って金額を入力し、申告書を作成できます。
作成した申告データは、e-Taxで送信できます。
マイナンバーカードを利用してe-Taxで申告する場合は、主に次のものを準備します。
- スマートフォン、タブレットまたはパソコン
- マイナンバーカード
- マイナンバーカード読取対応のスマートフォン
- 必要に応じてICカードリーダライタ
- マイナポータルアプリ
- マイナンバーカードのパスワード
- 副業の収入・経費資料
- 本業・副業先の源泉徴収票
- 控除に関する証明書・明細書
- 還付金を受け取る口座情報
パソコンやタブレットから送信する場合も、対応するスマートフォンでマイナンバーカードを読み取れる方法があります。
利用環境によっては、ICカードリーダライタを使用します。
マイナンバーカードのパスワードを確認する
マイナンバーカードを利用したe-Tax送信では、主に次の2種類のパスワードを使用します。
利用者証明用電子証明書
→ 数字4桁
署名用電子証明書
→ 英数字6〜16文字
パスワードを連続して間違えるとロックされるため、確定申告を始める前に確認しておきましょう。
マイナンバーカードや電子証明書の有効期限にも注意が必要です。
マイナポータル連携で取得できる情報もある
マイナポータル連携を利用すると、対応している給与や医療費、ふるさと納税、保険料などの情報を取得し、確定申告書へ自動入力できる場合があります。
ただし、すべての勤務先や証明書発行元が自動入力に対応しているとは限りません。
副業の売上や必要経費も、すべて自動で入力されるわけではありません。
自動取得された内容に不足がないか確認し、必要な情報は自分で追加します。
青色申告決算書・収支内訳書も作成できる
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、青色申告決算書や収支内訳書を作成し、確定申告書と一緒にe-Taxで送信できます。
ただし、売上や経費の資料を確定申告の時期になってから集めると、入力に時間がかかります。
日頃から帳簿を作成し、明細や領収書を整理しておきましょう。
書面で確定申告するときに準備するもの
確定申告書を書面で提出する場合は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成した申告書を印刷する方法があります。
申告内容に応じて、主に次の書類を確認します。
- 所得税及び復興特別所得税の確定申告書
- 青色申告決算書または収支内訳書
- 各種控除の明細書
- 添付が必要な証明書
- 本人確認書類
書類を添付する場合は、国税庁の添付書類台紙を利用する方法があります。
本人確認書類を準備する
書面で確定申告書を提出する場合は、マイナンバーに関する本人確認書類の提示または写しの添付が必要です。
マイナンバーカードを持っている場合、写しを添付するときは、原則として表面と裏面の写しを使用します。
マイナンバーカードを持っていない場合は、
- マイナンバーを確認できる番号確認書類
- 運転免許証などの身元確認書類
を組み合わせる方法があります。
使用できる書類や省略できる場合については、対象年分の確定申告の手引きを確認しましょう。
領収書を確定申告書へまとめて同封しない
副業の必要経費として計算した領収書やレシートは、通常、確定申告書にまとめて同封するものではありません。
提出書類と、自宅などで保存する帳簿・証拠資料を分けて整理します。
必要のない領収書を大量に同封するのではなく、申告内容に応じて添付が必要な書類を確認しましょう。
帳簿や必要書類は会計ソフトで整理できる
副業の取引が少ないうちは、表計算ソフトなどで売上や経費を管理する方法もあります。
しかし、取引件数が増えると、
- 売上の集計
- 経費の分類
- クレジットカード明細の確認
- 銀行口座との照合
- 青色申告決算書や収支内訳書の作成
に時間がかかることがあります。
会計ソフトを利用すると、銀行口座やクレジットカードの取引情報を取り込み、帳簿作成を補助できる場合があります。
ただし、取り込まれた取引がすべて正しい経費科目に分類されるとは限りません。
副業との関係や家事按分、固定資産の扱いなどは、自分で内容を確認する必要があります。
副業に会計ソフトが必要か迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。
副業用の口座・クレジットカードを分ける
本業の生活費と副業の取引が同じ口座やクレジットカードに混ざっていると、確定申告の準備に時間がかかります。
副業用の銀行口座やクレジットカードを分けると、売上や経費を確認しやすくなります。
ただし、副業を始めたら必ず新しい口座やカードを作らなければならないわけではありません。
取引を分けて管理し、帳簿と照合できる状態にすることが大切です。
副業の確定申告で必要な書類チェックリスト
確定申告を始める前に、次のチェックリストで不足がないか確認しましょう。
会社員の基本資料
□ 本業の源泉徴収票
□ 副業先が給与の場合は、その勤務先の源泉徴収票
□ マイナンバーを確認できるもの
□ 本人確認に使用する書類
□ 還付金を受け取る本人名義の口座情報
副業の収入資料
□ 売上台帳
□ 請求書の控え
□ ASP・販売サイト・副業サービスの売上明細
□ 支払明細・支払調書
□ 銀行口座の入金履歴
□ 手数料・源泉徴収税額の明細
副業の経費資料
□ 領収書・レシート
□ 請求書・納品書
□ クレジットカードの利用明細
□ 銀行口座の振込・引落履歴
□ 通販サイトの注文履歴
□ 電子データで受け取った請求書・領収書
□ 家事按分の計算根拠
□ 固定資産に該当する購入品の資料
所得区分・申告方法別の書類
□ 青色申告決算書
□ 収支内訳書
□ 各種控除の明細書
□ 控除証明書・寄附金の受領証
□ e-Taxで使用する端末・マイナンバーカード
□ マイナンバーカードのパスワード
すべての項目が全員に必要になるわけではありません。
自分の所得区分、申告方法、利用する控除に合わせて確認してください。
副業の確定申告で必要な書類に関するよくある質問
Q1.源泉徴収票は確定申告書に添付しますか?
給与所得の源泉徴収票は、確定申告書への添付や税務署での提示は原則不要です。
ただし、給与の支払金額や源泉徴収税額などを入力するために使用します。
税務署などの申告会場で確定申告書を作成する場合は、手元に持参しましょう。
Q2.副業の領収書は税務署へ提出しますか?
副業の必要経費に関する領収書やレシートは、通常、確定申告書に1枚ずつ添付するものではありません。
ただし、必要経費を計算した根拠として、帳簿と一緒に一定期間保存する必要があります。
Q3.支払調書が届かないと確定申告できませんか?
支払調書がなくても確定申告はできます。
報酬などの支払調書は、報酬を受け取った本人への交付が義務付けられている書類ではありません。
支払調書が届かない場合は、請求書、売上台帳、支払明細、入金履歴などから実際の収入を集計します。
Q4.クレジットカードの明細だけで経費を確認できますか?
クレジットカードの明細だけでは、購入した商品やサービスの詳しい内容が分からない場合があります。
領収書、レシート、請求書、注文履歴なども一緒に保存しましょう。
Q5.副業が雑所得なら収支内訳書は不要ですか?
業務に係る雑所得では、すべての人が収支内訳書を提出するわけではありません。
ただし、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円を超える人が確定申告書を提出する場合は、収支内訳書などの添付が必要です。
Q6.e-Taxなら領収書を捨ててもいいですか?
e-Taxで申告しても、保存が必要な帳簿や領収書を処分してよいわけではありません。
申告方法と、帳簿・書類の保存義務は分けて考えましょう。
Q7.必要書類の金額が分からない場合はどうしますか?
金額が分からない場合は、推測で入力しないようにしましょう。
管理画面、銀行口座、クレジットカード、メール、請求書などを確認します。
それでも確認できない場合は、取引先やサービス運営会社、税務署、税理士などへ確認してください。
まとめ|副業の確定申告は書類を3つに分けて整理しよう
会社員が副業の確定申告をするときは、必要書類を次の3つに分けて整理すると分かりやすくなります。
① 確定申告書と一緒に提出する書類
青色申告決算書、収支内訳書、各種明細書、控除証明書などです。
② 確定申告書を作成するために使用する資料
源泉徴収票、売上明細、支払明細、銀行口座の入金履歴などです。
③ 提出せずに自分で保存する資料
帳簿、領収書、レシート、請求書、取引明細などです。
確定申告で使用する資料を、すべて税務署へ提出するわけではありません。
一方、提出しない領収書や帳簿も、確定申告後に一定期間保存する必要があります。
また、副業が事業所得、雑所得、給与所得のどれに該当するのかによって、作成・提出する書類が変わります。
この記事のポイント
・本業と副業先の源泉徴収票を確認する
・副業の売上総額と手数料を分ける
・領収書は提出しなくても保存する
・所得区分に合った決算書・内訳書を作成する
・電子で受け取った資料はデータで保存する
・金額が不明な場合は推測で申告しない
確定申告の時期になってから1年分の資料を集めると、確認に時間がかかります。
副業の売上や経費が発生した時点で、月ごとに整理しておきましょう。
副業の所得税について確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
副業をこれから始める方へ
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参考文献
- 国税庁「令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き|申告書に添付・提示する書類」
- 国税庁「国税関係手続が簡素化されました」
- 国税庁「申告書の提出」
- 国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
- 国税庁「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」
- 国税庁「雑所得」
- 国税庁「事業所得の課税のしくみ」
- 国税庁「収入金額とその計算」
- 国税庁「法定調書に関するFAQ」
- 国税庁「必要経費の知識」
- 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」
- 国税庁「e-Taxの利用方法」
- 国税庁「マイナポータル連携で自動入力」
- 国税庁「税金の還付」
制度内容は2026年8月28日時点で確認しています。実際に申告する際は、対象となる年分の最新情報をご確認ください。










