副業で開業届は必要?会社員が提出するメリット・デメリットを解説

「会社員が副業を始めたら、開業届を出したほうがいい?」

「副業で少し収入が出ただけでも提出するの?」

「開業届を出せば、青色申告ができる?」

会社員が副業を始めると、確定申告や帳簿とあわせて「開業届」という言葉を目にすることがあります。

しかし、副業を始めた人全員が同じように考えればいいわけではありません。

まずは、自分が行っている副業の内容や所得の扱いなどを確認したうえで、必要な税務手続きを整理することが大切です。

 

結論

「会社員が副業を始めた=全員が同じように開業届を出す」と単純に判断するのは避けましょう。

また、開業届を提出しただけで、副業の所得が自動的に事業所得になったり、税金が安くなったりするわけではありません。

自分の副業がどのような活動に当たるのかを確認し、必要な届出を判断することが重要です。

 

さらに、2026年から開業届について重要な変更があります。

2026年1月1日以後に開業した場合、個人事業の開業・廃業等届出書の提出期限は、その事実が生じた年の確定申告書の提出期限までとなりました。

以前の「開業の日から1か月以内」という情報を見たことがある方は、特に注意してください。

一方、青色申告を始めるための「所得税の青色申告承認申請書」は別の手続で、提出期限も異なります。

 

 

この記事では、会社員が副業をするときの開業届について、2026年からの提出期限、開業届を出すメリット・注意点、青色申告との違い、提出方法まで初心者向けに解説します。

古い情報と混同しやすい部分もあるため、国税庁の2026年時点の情報をもとに順番に確認していきましょう。

 

Contents
  1. 副業で開業届は必要?
  2. 副業の開業届はいつまでに出す?【2026年から変更】
  3. 副業で開業届を出すメリット・注意点
  4. 開業届と青色申告承認申請書は別の手続
  5. 副業の開業届を提出する方法
  6. 開業届を出した後は副業のお金を管理する
  7. 副業の開業届でよくある質問
  8. まとめ|副業の開業届は活動内容と必要な手続きを確認して判断しよう
  9. 参考・出典
  10. 関連記事
  11. 副業をこれから始める方へ

副業で開業届は必要?

最初に知っておきたいのが、「副業」という言葉だけでは、税務上の扱いを一律に判断できないということです。

副業といっても、その内容はさまざまです。

  • ブログ・アフィリエイト
  • Webライティング
  • 動画・画像制作
  • プログラミング
  • ハンドメイド販売
  • コンサルティング
  • アルバイト

などがあります。

同じ「本業以外の収入」であっても、実際の活動内容や働き方などによって税務上の扱いは異なります。

そのため、「副業収入が○円になったら必ず開業届」というように、収入額だけで判断するものではありません。

 

開業届とは?

一般に「開業届」と呼ばれているのは、税務署へ提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」です。

国税庁では、個人で事業を始めたときに必要となる届出の一つとして案内しています。

届出書では、納税地、氏名、生年月日、職業、屋号、開業日、事業の概要など、必要な事項を記載します。

「開業届」は一般的な呼び方

正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」です。

個人で事業を開始した場合などに、税務署へ届け出るための書類です。

 

会社員でも開業届の対象になる?

会社員であることだけを理由に、個人事業に関する手続の対象外になるとは限りません。

本業では会社から給与を受け取りながら、別に個人で事業を行うケースも考えられます。

大切なのは、「会社員かどうか」ではなく、実際にどのような副業を行っているのかです。

一方、会社員が本業以外で収入を得ているからといって、そのすべてを同じように個人事業として扱えるわけではありません。

たとえば、本業とは別にアルバイト先から給与を受け取っているケースと、自分で継続的に事業を行っているケースでは、所得の考え方も異なります。

 

開業届を出せば事業所得になるわけではない

ここは副業初心者が特に注意したいポイントです。

開業届を提出したという事実だけで、その副業から得た所得が自動的に事業所得になるわけではありません。

所得区分は、実際の活動内容などを踏まえて判断する必要があります。

そのため、

「開業届を出した → 個人事業主になった → 副業収入はすべて事業所得」

と機械的に判断するのは避けましょう。

開業届と所得区分を混同しない

開業届は税務上の届出です。

所得が事業所得・雑所得・給与所得などのどれに該当するかについては、実際の活動内容などをもとに別途判断します。

 

開業届を出せば税金が安くなるわけではない

もう一つ注意したいのが、開業届そのものに税金を安くする効果があるわけではないという点です。

開業届を提出しただけで所得税が減ったり、必要経費にできる範囲が自動的に広がったりするわけではありません。

税額は、所得や所得控除など、それぞれの状況をもとに計算されます。

また、青色申告についても、開業届とは別に手続を確認する必要があります。

「開業届を出せば節税できる」という情報だけを見て判断しないようにしましょう。

 

副業の開業届はいつまでに出す?【2026年から変更】

開業届について、2026年に特に注意したいのが提出期限の変更です。

国税庁・e-Taxでは、2026年1月1日以後に開業した場合について、開業届の提出期限を次のように案内しています。

2026年1月1日以後に開業した場合

その事実が生じた年の確定申告書の提出期限まで

 

従来の案内では、開業届は「開業の日から1か月以内」とされていました。

そのため、過去の記事や古い解説ページを見ると、「副業を始めたら1か月以内に開業届を出す」と書かれている場合があります。

しかし、2026年1月1日以後の開業については提出期限が変更されています。

 

 

開業した時期開業届の提出期限
2025年12月31日以前原則、開業の日から1か月以内
2026年1月1日以後その事実が生じた年の確定申告書の提出期限まで

 

たとえば、2026年中に開業した場合は、2026年分の確定申告書の提出期限が基準になります。

なお、期限日が土曜日・日曜日・祝日等に当たる場合は、その翌日が期限になると国税庁は案内しています。

古い「1か月以内」という情報に注意

2026年1月1日以後の開業についてはルールが変更されています。

開業した年を確認したうえで、現在の提出期限を確認しましょう。

 

青色申告承認申請書の期限まで同じになったわけではない

ここで非常に重要なのが、開業届の提出期限と青色申告承認申請書の提出期限は別ということです。

開業届の期限が2026年から変更されたからといって、青色申告の申請まで確定申告時期まで待ってよいとは限りません。

国税庁では、これから青色申告を始める場合、原則として青色申告を始めようとする年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出すると案内しています。

その年の1月16日以後に新たに事業を始めた場合は、開業の日から2か月以内です。

開業届と青色申告は期限を別々に確認する

開業届の提出期限が延びても、青色申告承認申請書には別の期限があります。

青色申告を検討している場合は、開業届だけを見て手続きを後回しにしないよう注意しましょう。

 

次は、副業で開業届を提出するメリットと、提出前に知っておきたい注意点を整理します。

 

副業で開業届を出すメリット・注意点

副業で個人事業を始めた場合、開業届を提出することで税務上の手続きを整理できます。

ただし、「開業届を出せば得をする」「出せば節税できる」と考えるのは適切ではありません。

開業届そのものに節税効果があるわけではなく、所得区分や青色申告についても別に考える必要があります。

ここでは、開業届を提出するメリットと、提出前に知っておきたい注意点を整理します。

 

 

メリット① 個人事業を始めたことを税務署へ届け出られる

開業届は、個人で事業を始めたことなどを税務署へ届け出るための書類です。

副業で継続的に事業を行っていく場合は、必要な税務手続きを整理するきっかけになります。

ただし、開業届を提出したこと自体が、事業の実態を決めるわけではありません。

実際にどのような活動をしているのかと、届出を行うことは分けて考えましょう。

 

メリット② 青色申告を検討するきっかけになる

個人で事業を始めると、青色申告について調べる機会も増えてきます。

青色申告には、一定の要件を満たすことで青色申告特別控除などの制度があります。

ただし、ここで重要なのが、開業届を提出しただけでは青色申告にはならないという点です。

青色申告を希望する場合は、原則として別途「所得税の青色申告承認申請書」を提出し、必要な要件を満たす必要があります。

開業届=青色申告ではない

開業届と青色申告承認申請書は別の手続です。

開業届だけを提出して、「これで青色申告ができる」と考えないよう注意しましょう。

 

メリット③ 屋号を届け出ることができる

開業届には、屋号を記載する欄があります。

屋号とは、個人で事業を行う際に使用する名称のことです。

たとえば、個人名とは別に事業名や店舗名などを使用して活動する場合に、屋号を設定することがあります。

ただし、副業をするために屋号を必ず付けなければならないわけではありません。

個人名で活動する場合など、屋号を使用しないケースもあります。

屋号は必須ではない

開業届に屋号欄があるからといって、無理に事業名を決める必要はありません。

自分の副業の活動方法に合わせて考えましょう。

 

注意点① 開業届だけで節税できるわけではない

開業届を提出するメリットを調べていると、「開業届を出せば節税できる」という説明を見かけることがあります。

しかし、開業届を提出したという事実だけで税金が安くなるわけではありません。

所得税は、収入から必要経費などを差し引いて所得を計算し、所得控除などを反映して税額を計算します。

青色申告の各制度についても、開業届とは別に適用要件があります。

「開業届を出す=節税」という単純な関係ではないことを理解しておきましょう。

 

注意点② 開業届だけで必要経費の範囲が広がるわけではない

開業届を提出すると、「これまで経費にできなかったものも経費にできるのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、開業届を提出しただけで必要経費の範囲が自動的に広がるわけではありません。

必要経費になるかどうかは、実際の支出内容や業務との関係などをもとに判断します。

たとえば、開業届を提出した後にプライベートの買い物をしたとしても、それだけで必要経費になるものではありません。

仕事と私生活の両方に関係する支出についても、業務上必要な部分を明確に区分できるかなどを確認する必要があります。

 

副業の必要経費についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

 

 

注意点③ 開業届だけで事業所得になるわけではない

開業届と所得区分についても、混同しないことが重要です。

開業届を提出したことだけを理由に、副業の所得が自動的に事業所得になるわけではありません。

国税庁は、事業所得と業務に係る雑所得の区分について、その所得を得るための活動が社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定することを原則としています。

また、帳簿書類の保存がある場合には、おおむね事業所得に区分されることを示しつつ、収入金額が僅少である場合や、営利性が認められない場合など、個別に判断するケースも示しています。

「開業届を出したか」だけで所得区分を決めない

副業の所得がどの所得区分に該当するかは、実際の活動状況などを踏まえて判断します。

開業届の提出だけを根拠に「自分は事業所得」と判断するのは避けましょう。

 

注意点④ 勤務先の副業ルールも確認する

税務署へ開業届を提出できるかどうかと、勤務先で副業が認められているかどうかは別の問題です。

会社員が副業を始める場合は、勤務先の就業規則や副業・兼業に関するルールも確認しましょう。

会社によっては、副業について届出や許可などの社内手続を定めている場合があります。

税務上の開業届を提出したからといって、勤務先の手続まで完了するわけではありません。

 

副業と会社の関係については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

 

開業届と青色申告承認申請書は別の手続

副業で開業届を検討するときに、特に混同しやすいのが青色申告です。

開業届と青色申告承認申請書は、目的も提出期限も同じではありません。

まず、違いを整理しておきましょう。

 

 

項目開業届青色申告承認申請書
主な目的個人事業の開業などを届け出る青色申告の承認を受けるために申請する
書類個人事業の開業・廃業等届出書所得税の青色申告承認申請書
2026年1月1日以後に開業した場合の開業届その事実が生じた年の確定申告書の提出期限まで開業届とは別期限
青色申告提出しただけでは青色申告にならない承認を受けるために必要な申請

 

青色申告承認申請書とは?

青色申告をするためには、一定の要件のもとで「所得税の青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長へ提出します。

青色申告では、帳簿を備え付けて日々の取引を記帳し、その帳簿書類を保存する必要があります。

また、要件を満たすことで青色申告特別控除などの適用を受けられる場合があります。

ただし、副業だから必ず青色申告を選べるという意味ではありません。

自分の所得区分や活動状況を確認したうえで判断しましょう。

 

青色申告承認申請書の提出期限に注意

開業届の提出期限が2026年から変更されたことで、特に注意したいのが青色申告承認申請書の期限です。

国税庁では、青色申告承認申請書について、原則として青色申告をしようとする年の3月15日までと案内しています。

ただし、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、その事業を開始した日から2か月以内です。

開業届の期限だけを見て待たない

2026年1月1日以後の開業届は、その年分の確定申告書の提出期限までとなりました。

しかし、青色申告承認申請書には別の期限があります。

青色申告を検討している場合は、開業した段階で申請期限を確認しましょう。

 

開業届と青色申告承認申請書を同時に考える

個人で事業を始め、青色申告を希望している場合は、開業届だけを先に考えるのではなく、青色申告承認申請書についても早めに確認しておくと安心です。

特に2026年以後は、開業届の提出期限より青色申告承認申請書の期限が先に来るケースが考えられます。

「開業届は確定申告までだから、税務手続はまだ大丈夫」と思い込まないよう注意してください。

覚えておきたいポイント

開業届と青色申告はセットで語られることが多いですが、別々の手続です。

書類・目的・提出期限をそれぞれ確認することが大切です。

 

副業の取引が増えて青色申告などを検討する場合は、日々の帳簿管理も重要になります。

帳簿についてはこちらの記事で基本から確認できます。

 

 

次は、開業届を実際に提出する方法と、提出までの流れを解説します。

 

副業の開業届を提出する方法

副業で個人事業を始め、開業届を提出する場合は、必要事項を確認して手続きを進めます。

開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。

2026年1月1日以後に開業した場合は提出期限が変更されていますが、期限まで待たなければ提出できないわけではありません。

青色申告など、ほかの税務手続も確認しながら準備を進めましょう。

 

 

STEP1 自分の副業の状況を整理する

まずは、自分が行っている副業について整理します。

「副業をしている」という理由だけで判断するのではなく、実際にどのような活動を行っているのかを確認することが大切です。

たとえば、次のような内容です。

  • どのような仕事・事業を行っているのか
  • いつから活動を始めたのか
  • 継続して取り組んでいるのか
  • どのような方法で収入を得ているのか
  • 給与として受け取っているのか、それ以外の収入なのか

こうした情報を整理しておくと、自分に必要な税務手続きを考えやすくなります。

判断が難しい場合は、税務署や税理士などへ確認しましょう。

 

STEP2 開業日や事業内容などを整理する

次に、開業届へ記載するための情報を整理します。

開業届では、納税地、氏名、生年月日、職業、屋号、開業日、事業の概要などの必要事項を記載します。

副業初心者が迷いやすいのが「開業日」です。

たとえばブログ副業の場合でも、

  • ブログを作った日
  • 記事を書き始めた日
  • 広告を掲載した日
  • 初めて収益が発生した日

など、複数の日付が考えられます。

しかし、すべての副業について「初収益の日を開業日にする」などと一律に決められていることは確認できません。

実際に事業を開始した状況をもとに判断し、迷う場合は所轄税務署などへ確認しましょう。

開業日を推測で決めない

副業の種類や活動状況によって、事業を開始した状況は異なります。

「副業ならこの日」と一律に判断せず、自分の活動実態を確認しましょう。

 

STEP3 開業届を作成する

必要な情報を整理したら、開業届を作成します。

主な記載事項として、

  • 納税地
  • 氏名
  • 生年月日
  • 職業
  • 屋号を使用する場合は屋号
  • 届出の区分
  • 開業日
  • 事業の概要

などがあります。

様式や記載項目が変更される可能性もあるため、実際に提出するときは国税庁が公開している最新の様式・案内を確認してください。

 

STEP4 e-Taxまたは書面で提出する

開業届を作成したら、国税庁が案内している方法に沿って提出します。

2026年時点では、個人が事業を開始した際の手続について、e-Taxを利用したオンライン提出ができます。

また、書面による手続もあります。

自分が利用しやすい方法を確認して進めましょう。

提出方法は最新情報を確認する

税務手続のオンライン化や書面の提出方法は変更される可能性があります。

実際に提出するときは、国税庁・e-Taxの最新情報を確認してください。

 

e-Taxで提出する場合

e-Taxを利用すれば、対応している税務手続きをオンラインで行うことができます。

税務署へ出向かずに手続きを進められる点は、会社員にとっても利用しやすいポイントです。

ただし、利用する手続や方法によって必要となる準備が異なる場合があります。

また、e-Taxの画面や操作方法は変更される可能性があるため、この記事では特定の操作画面を固定して案内しません。

実際に手続するときは、e-Tax公式サイトの最新手順を確認しましょう。

 

書面で提出する場合

書面で手続する場合は、国税庁が公開している最新の様式を使用します。

必要事項を記入したら、内容に誤りがないか確認したうえで、国税庁が案内する方法に沿って提出します。

自分の所轄税務署が分からない場合は、国税庁の税務署検索から確認できます。

なお、書面の提出方法についても過去から変更されているものがあります。

古いブログ記事などの情報だけで判断せず、提出時点の国税庁公式情報を確認してください。

 

STEP5 青色申告を希望する場合は別の申請も確認する

青色申告を希望する場合は、開業届とは別に「所得税の青色申告承認申請書」を確認します。

前述したとおり、開業届と青色申告承認申請書は別の手続です。

特に注意したいのが提出期限です。

2026年1月1日以後に開業した場合、開業届はその事実が生じた年の確定申告書の提出期限までとなっています。

一方、その年の1月16日以後に新たに事業を開始して青色申告を希望する場合、青色申告承認申請書は原則として事業開始日から2か月以内です。

開業届と青色申告の期限を混同しない

開業届の提出期限が2026年から変更されても、青色申告承認申請書まで同じ期限になったわけではありません。

青色申告を考えている場合は、事業を始めた段階で申請期限を確認しましょう。

 

開業届を出した後は副業のお金を管理する

開業届を提出したら、それだけで副業のお金に関する手続がすべて終わるわけではありません。

副業で収入や支出が発生する場合は、日々の取引を整理しておくことが大切です。

たとえば、

  • 副業の収入を記録する
  • 副業に関係する支出を記録する
  • 領収書や請求書などを保存する
  • 必要な帳簿を作成・保存する
  • 確定申告が必要か確認する

といった管理があります。

 

 

副業の収入・支出を記録する

副業を継続するのであれば、収入だけでなく支出についても記録しておきましょう。

確定申告の時期になってから1年分の取引をまとめて確認しようとすると、何のために使ったお金なのか分からなくなる可能性があります。

日頃から、

  • 取引した日
  • 取引先
  • 金額
  • 取引内容

などを確認できる状態にしておくと、後から整理しやすくなります。

 

必要な帳簿をつける

副業を事業として行う場合は、所得の計算や申告に必要となる帳簿についても確認します。

青色申告では、制度の要件に応じた記帳や帳簿書類の保存が必要です。

また、国税庁では、白色申告者についても、事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき業務を行う人を対象とした記帳・帳簿等の保存制度を案内しています。

そのため、「青色申告をしなければ帳簿は必要ない」と一律に考えないようにしましょう。

 

副業の帳簿についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

 

 

銀行口座やクレジットカードを分ける方法もある

副業の取引が増えてきた場合は、生活用のお金と副業用のお金を分けて管理する方法もあります。

たとえば、

副業用銀行口座 → 副業用クレジットカード → 帳簿

という形でお金の流れを整理すると、生活用の取引と区別しやすくなります。

ただし、副業を始めたからといって、専用口座や専用カードを必ず用意しなければならないわけではありません。

取引量や現在の管理方法に合わせて検討しましょう。

 

 

 

確定申告が必要か確認する

副業で所得が発生した場合は、自分に確定申告が必要かどうかも確認します。

会社員の副業では「20万円」という数字がよく使われますが、すべての人が「20万円以下なら何もしなくてよい」という意味ではありません。

給与所得者の所得税の確定申告については、年末調整された給与以外の所得などが20万円を超える場合など、一定の条件があります。

また、所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。

自分の収入・所得・勤務状況などを確認して判断しましょう。

 

 

 

副業開始から確定申告までを一つの流れで考える

開業届だけを見ると、「書類を1枚提出するだけ」と感じるかもしれません。

しかし、副業を継続して事業として行っていく場合は、その後のお金の管理まで考えることが大切です。

基本的な流れとしては、

副業を始める → 必要な届出を確認する → 収入・支出を記録する → 帳簿・書類を保存する → 確定申告の必要性を確認する

と整理すると分かりやすくなります。

開業届は「スタート地点」のひとつ

開業届を提出することだけを目的にするのではなく、その後の記帳や確定申告まで含めて副業のお金を管理しましょう。

 

次は、副業の開業届についてよくある質問を整理したうえで、記事全体をまとめます。

 

副業の開業届でよくある質問

Q.副業を始めたら必ず開業届を出しますか?

「会社員が副業を始めたら、全員が同じように開業届を出す」と一律に考えるのは避けましょう。

副業には、アルバイトのように給与を受け取る働き方もあれば、自分で事業を行うケースもあります。

「副業」という呼び方だけでは、税務上の所得区分や必要な手続きを判断できません。

自分が実際にどのような活動を行っているのかを確認したうえで、必要な届出を判断しましょう。

 

Q.会社員でも開業届を提出できますか?

会社員として給与を受け取りながら、別に個人で事業を行うケースはあります。

そのため、会社員であることだけを理由に、個人事業に関する税務手続の対象外になるとは限りません。

ただし、税務署への開業届と勤務先の副業ルールは別です。

勤務先が副業について届出や許可などのルールを設けている場合もあるため、就業規則なども確認しましょう。

 

Q.開業届を出すと会社に副業がバレますか?

開業届を提出したことだけで、勤務先へ自動的に通知されるという国税庁の案内は、今回確認した公式情報では確認できません。

ただし、副業が勤務先に知られる経路は開業届だけではありません。

住民税、本人の言動、SNS、勤務先の手続など、さまざまな要因が考えられます。

そのため、「開業届を出さなければ絶対に会社に知られない」「開業届を出したら必ず会社に知られる」と断定することはできません。

 

副業と会社の関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

 

Q.開業届を出せば副業が事業所得になりますか?

開業届を提出したという事実だけで、副業の所得が自動的に事業所得になるわけではありません。

国税庁は、事業所得と業務に係る雑所得の区分について、その所得を得るための活動が社会通念上事業と称するに至る程度で行われているかどうかで判定することを原則としています。

帳簿書類の保存状況なども判断材料になりますが、個々の状況によって扱いが異なる場合があります。

「開業届を提出したから事業所得」と単純に判断しないようにしましょう。

 

Q.開業届を出せば青色申告できますか?

開業届を提出しただけでは、青色申告の承認を受ける手続は完了しません。

青色申告を希望する場合は、原則として別途「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

また、青色申告の対象となる所得や帳簿などの要件も確認する必要があります。

開業届と青色申告は別

「開業届を出した=青色申告」ではありません。

青色申告を希望する場合は、青色申告承認申請書の提出期限も確認しましょう。

 

Q.2026年の開業届はいつまでに出せばいいですか?

2026年1月1日以後に開業した場合、開業届の提出期限は、その事実が生じた年の確定申告書の提出期限までです。

従来は原則として開業の日から1か月以内とされていたため、古いWebサイトや書籍では現在と異なる期限が掲載されている可能性があります。

2026年以後に開業する場合は、最新の国税庁・e-Tax情報を確認してください。

なお、青色申告承認申請書など、ほかの税務手続まで同じ期限になったわけではありません。

 

Q.開業届を出すと税金が安くなりますか?

開業届を提出したという理由だけで税金が安くなるわけではありません。

開業届そのものに、所得税を一定額減らすような制度が付いているわけではありません。

青色申告特別控除などの制度を利用する場合も、それぞれの適用要件を満たす必要があります。

「開業届を出せば節税できる」という情報だけで提出を判断しないようにしましょう。

 

Q.副業の収入が20万円を超えたら開業届が必要ですか?

「20万円」は、開業届を提出するかどうかを一律に決める基準ではありません。

会社員の副業でよく使われる「20万円」という数字は、給与所得者の所得税の確定申告が必要となる条件を説明するときに出てくる基準の一つです。

開業届の提出について「副業所得が20万円を超えたら提出する」という国税庁の基準は、今回確認した公式情報では確認できません。

開業届と確定申告の20万円ルールを混同しないようにしましょう。

 

20万円ルールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

 

 

まとめ|副業の開業届は活動内容と必要な手続きを確認して判断しよう

副業で開業届を考えるときに重要なのは、「副業を始めたから、とりあえず開業届を出す」と単純に判断しないことです。

副業にはさまざまな働き方があり、所得区分や必要となる税務手続も同じとは限りません。

今回のポイントをまとめます。

  • 開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」
  • 副業という言葉だけで必要な税務手続きを一律に判断しない
  • 会社員でも個人で事業を行うケースはある
  • 開業届を出しただけで事業所得になるわけではない
  • 開業届そのものに節税効果があるわけではない
  • 必要経費の範囲が開業届だけで広がるわけではない
  • 2026年1月1日以後の開業は提出期限が変更されている
  • 開業届と青色申告承認申請書は別の手続
  • 青色申告を希望する場合は別の提出期限に注意する
  • 開業後は帳簿や領収書・請求書などの管理も重要

 

2026年の重要ポイント

2026年1月1日以後に開業した場合、開業届の提出期限はその事実が生じた年の確定申告書の提出期限までに変更されています。

一方、青色申告承認申請書には別の提出期限があります。

「開業届の期限が延びた=すべての税務手続を確定申告まで待てる」ではありません。

 

副業を事業として続けていくのであれば、開業届だけでなく、帳簿・銀行口座・クレジットカード・必要経費・確定申告まで一つの流れとして管理していきましょう。

判断できない税務上の問題がある場合は、国税庁の最新情報を確認したうえで、税務署や税理士などの専門家へ相談してください。

 

参考・出典

この記事は、2026年8月21日時点で確認した国税庁・e-Taxの公式情報をもとに作成しています。

※税制・届出書の様式・提出方法・e-Taxの操作方法などは変更される可能性があります。実際に手続を行う際は、国税庁・e-Taxの最新情報をご確認ください。

 

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