副業は青色申告と白色申告どっち?違い・メリットを初心者向けに解説

副業は青色申告と白色申告どっち?違い・メリットを初心者向けに解説
「副業の確定申告は、青色申告と白色申告のどっちを選べばいい?」
「会社員でも青色申告はできる?」
「青色申告にすれば65万円控除される?」
副業の確定申告について調べると、「青色申告」「白色申告」という言葉を目にすることがあります。
青色申告には青色申告特別控除などの制度があるため、「副業をするなら青色申告のほうがお得」と考える方もいるかもしれません。
しかし、会社員が副業をしているからといって、誰でも自由に青色申告を選べるわけではありません。
最初に確認したいのは、副業から生じる所得の区分です。
結論
副業の確定申告を考えるときは、最初から「青色と白色のどちらがお得か」で決めるのではなく、自分の副業の所得区分を確認することが大切です。
国税庁では、青色申告制度について、不動産所得・事業所得・山林所得を生ずべき業務を行う人が対象になると案内しています。
そのため、副業が業務に係る雑所得に該当する場合は、青色申告を選択して青色申告特別控除を受けるという仕組みではありません。
また、青色申告を利用する場合でも、青色申告承認申請書の提出や帳簿の作成・保存など、必要な手続があります。
白色申告についても、対象となる事業所得などがある場合に「帳簿をつけなくてよい」というわけではありません。
この記事では、副業をしている会社員向けに、青色申告と白色申告の違い、青色申告特別控除、帳簿、申請期限などを2026年時点の制度に沿って解説します。

副業は青色申告と白色申告どっち?
副業で確定申告が必要になったとき、最初に「青色申告と白色申告のどちらを選ぶか」を考えてしまいがちです。
しかし、その前に副業から生じた所得がどの所得区分に該当するのかを確認する必要があります。
所得税では、所得をその性質によって複数の種類に区分しています。
会社員の副業に関係しやすいものとしては、たとえば、
- 給与所得
- 事業所得
- 雑所得
などがあります。
副業という名称だけで所得区分が決まるわけではありません。
実際の活動内容などをもとに判断する必要があります。
青色申告ができる所得を確認する
国税庁では、青色申告制度について、不動産所得・事業所得・山林所得を生ずべき業務を行う人が、一定の要件のもとで利用できる制度として案内しています。
つまり、会社員が本業以外で収入を得ているという理由だけで、すべての副業について青色申告を選べるわけではありません。
たとえば、自分の副業から生じる所得が事業所得に該当する場合は、青色申告を検討する余地があります。
一方、その副業が業務に係る雑所得に該当する場合は、青色申告制度の対象となる所得ではありません。
「副業=青色申告できる」ではない
青色申告を利用できるかどうかを考える前に、自分の副業から生じる所得の区分を確認しましょう。
青色申告の対象となる所得は、不動産所得・事業所得・山林所得です。
副業が事業所得か雑所得かはどう判断する?
会社員の副業では、事業所得と業務に係る雑所得の違いが重要になることがあります。
国税庁は、事業所得と業務に係る雑所得について、その所得を得るための活動が社会通念上事業と称するに至る程度で行われているかどうかで判定することを原則としています。
そのため、単純に、
- 副業収入が○万円を超えた
- 開業届を提出した
- 毎月収入がある
といった一つの条件だけで、必ず事業所得になるとは判断できません。
帳簿書類の保存状況なども判断材料になりますが、活動状況によって個別に判断が必要になる場合があります。
開業届を出していても自動的に事業所得にはならない
前の記事で解説した開業届と、所得区分は別に考える必要があります。
「開業届を出したから青色申告できる」と一律に判断しないようにしましょう。
開業届についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
雑所得なら青色申告できる?
業務に係る雑所得は、青色申告制度の対象となる所得には含まれていません。
そのため、副業による所得が雑所得に該当する場合に、「白色申告より青色申告のほうがお得だから青色を選ぶ」という考え方はできません。
まず所得区分を確認し、そのうえで利用できる制度を確認することが重要です。
なお、所得区分の判断に迷う場合は、税務署や税理士などへ確認しましょう。
「青色申告と白色申告のどっちがお得?」だけで判断しない
青色申告には、一定の要件を満たすことで青色申告特別控除などの制度があります。
そのため、税制上の特典だけを比較すると青色申告に魅力を感じるかもしれません。
しかし、青色申告には事前の申請や帳簿などの要件があります。
また、そもそも青色申告制度の対象となる所得でなければ利用できません。
したがって、
所得区分を確認する → 青色申告の対象か確認する → 要件や手続を確認する
という順番で考えると分かりやすくなります。
青色・白色を比較する前に所得区分を確認
副業だから青色申告と白色申告を自由に選べるわけではありません。
まず、自分の副業が税務上どの所得に該当するのかを確認しましょう。
青色申告と白色申告の違い
自分の副業が青色申告制度の対象となる所得に該当する場合は、青色申告と白色申告の違いを理解しておきましょう。
大きな違いとして、事前申請の有無、帳簿、青色申告に設けられている税制上の特典などがあります。

| 比較項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 事前の承認申請 | 必要 | 青色申告承認申請は不要 |
| 帳簿 | 制度・控除要件に応じた記帳が必要 | 対象者には記帳・保存義務あり |
| 青色申告特別控除 | 要件を満たせば適用あり | なし |
| 青色事業専従者給与 | 一定の要件で制度あり | 青色事業専従者給与の制度はなし |
| 純損失の繰越し | 一定の要件で制度あり | 青色申告と同じ制度ではない |
青色申告とは?
青色申告は、一定の帳簿を備え付けて日々の取引を記帳し、その記録に基づいて正しく申告する人について、所得計算などで一定の特典が設けられている制度です。
青色申告を利用するためには、対象となる所得があることに加え、原則として「所得税の青色申告承認申請書」を期限までに提出する必要があります。
主な制度として、
- 青色申告特別控除
- 青色事業専従者給与
- 純損失の繰越し・繰戻し
などがあります。
ただし、それぞれに適用要件があるため、「青色申告を選べばすべて利用できる」とは限りません。
白色申告とは?
青色申告の承認を受けていない場合の申告は、一般に「白色申告」と呼ばれています。
青色申告のような青色申告承認申請は必要ありません。
一方で、白色申告なら帳簿をつけなくてよいというわけではありません。
国税庁では、事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき業務を行う白色申告者について、記帳・帳簿書類の保存制度を設けています。
そのため、
「青色申告=帳簿が必要、白色申告=帳簿不要」
という理解は正確ではありません。
白色申告でも記帳は必要
白色申告だから、売上や経費を何も記録しなくてよいわけではありません。
対象となる人は、日々の取引を記帳し、帳簿や書類を一定期間保存する必要があります。
白色申告の帳簿は何年間保存する?
国税庁では、白色申告者の記帳・帳簿等保存制度について、収入金額や必要経費を記載した法定帳簿は7年間保存すると案内しています。
また、業務に関して作成したその他の帳簿や、決算に関して作成した棚卸表などの書類、業務に関して受領した請求書・納品書・送り状・領収書などについては、原則として5年間です。
電子取引により受け取った請求書や領収書などについては、電子帳簿保存法に基づく保存についても確認する必要があります。
白色申告=何も保存しなくてよい、ではない
法定帳簿:7年間
一定のその他の帳簿・書類:5年間
副業を続ける場合は、申告方法だけでなく日頃の記帳・書類保存まで考えておきましょう。
帳簿の基本については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
次は、青色申告を検討するときに最も気になる「65万円・55万円・10万円の青色申告特別控除」と、青色申告のメリット・注意点を詳しく見ていきます。
青色申告のメリット・注意点
青色申告には、一定の要件を満たすことで利用できる税制上の特典があります。
代表的なのが青色申告特別控除です。
2026年分までの青色申告特別控除には、主に最高65万円・55万円・10万円の区分があります。
ただし、青色申告を選択しただけで自動的に65万円控除されるわけではありません。
控除額によって必要となる記帳方法や申告方法などの要件が異なります。

青色申告特別控除とは?
青色申告特別控除は、青色申告者が一定の要件を満たした場合に、所得金額から一定額を控除できる制度です。
2026年分までの制度では、要件に応じて最高65万円・55万円・10万円の控除があります。
2026年分までの青色申告特別控除
最高65万円
最高55万円
最高10万円
どの控除額になるかは、記帳方法や申告方法などの要件によって異なります。
65万円控除を受けるための主な要件
65万円の青色申告特別控除を受けるためには、55万円控除の要件を満たしたうえで、さらに電子申告などに関する要件を満たす必要があります。
国税庁では、65万円控除について、従来の要件に加えて、次のいずれかが必要と案内しています。
- e-Taxを利用して確定申告書・青色申告決算書のデータを送信する
- 優良な電子帳簿の要件を満たして電子データによる備付け・保存を行い、必要な届出をする
また、55万円控除の要件として、正規の簿記の原則による記帳、貸借対照表・損益計算書の添付、期限内申告などがあります。
青色申告=自動的に65万円控除ではない
青色申告の承認を受けていても、65万円控除に必要な要件を満たしていなければ、65万円の控除を受けられるとは限りません。
特にe-Taxまたは優良な電子帳簿保存に関する追加要件を確認しましょう。
55万円控除との違い
55万円の青色申告特別控除では、65万円控除で求められる追加の電子申告等の要件はありません。
一方で、正規の簿記の原則に従った記帳を行い、貸借対照表や損益計算書を確定申告書に添付し、法定申告期限内に提出するなどの要件があります。
そのため、
複式簿記などの要件を満たす → 最高55万円
さらにe-Tax等の追加要件を満たす → 最高65万円
というイメージで整理すると分かりやすいでしょう。
10万円控除になるケース
65万円または55万円の青色申告特別控除の要件を満たさない青色申告者については、一定の場合に最高10万円の青色申告特別控除があります。
国税庁の2026年分までの案内でも、簡易な記帳を行う場合の青色申告特別控除額として10万円が示されています。
ただし、所得の種類などによって適用関係が異なるため、「簡易帳簿なら誰でも必ず10万円」と一律には判断しないようにしましょう。
| 控除額 | 主な考え方 |
|---|---|
| 最高65万円 | 55万円控除の要件+e-Taxによる申告または優良な電子帳簿保存等の追加要件 |
| 最高55万円 | 正規の簿記の原則による記帳、貸借対照表・損益計算書の添付、期限内申告などの要件 |
| 最高10万円 | 65万円・55万円控除の要件を満たさない青色申告者について一定の場合に適用 |
2027年分から制度変更があります
この65万円・55万円・10万円という説明は、2026年分までの制度を前提としています。
国税庁では、2027年分の確定申告から青色申告特別控除制度が変更されることを案内しています。
2027年分以後の申告を行う場合は、その時点の最新制度を確認してください。
メリット① 青色申告特別控除を利用できる
青色申告の代表的なメリットが、ここまで解説した青色申告特別控除です。
要件を満たせば、所得金額から最高65万円・55万円または10万円を控除できます。
ただし、65万円がそのまま税金から差し引かれるわけではありません。
青色申告特別控除は「税額控除」ではなく、所得金額の計算上差し引く控除です。
そのため、
「65万円控除=税金が65万円安くなる」
という意味ではありません。
65万円=65万円の節税ではない
青色申告特別控除は、一定の要件を満たした場合に所得金額から差し引く制度です。
実際に減る税額は、その人の所得や税率などによって異なります。
メリット② 青色事業専従者給与の制度がある
青色申告では、一定の要件を満たす家族に支払った給与について、青色事業専従者給与として必要経費に算入できる制度があります。
対象となるのは、青色申告者と生計を一にする配偶者や一定の親族で、その事業に専ら従事しているなどの要件を満たす人です。
また、支払った給与であれば何でも必要経費にできるわけではありません。
あらかじめ届出を行い、その届出に記載した金額の範囲内で、労務の対価として適正な金額であることなどが必要です。
会社員の副業では家族が事業に専ら従事しているケースばかりではないため、「家族に給料を払えば経費にできる」と単純に考えないようにしましょう。
メリット③ 純損失を翌年以後に繰り越せる場合がある
青色申告には、一定の要件のもとで純損失の繰越しができる制度があります。
事業所得などに赤字があり、損益通算を行っても控除しきれない純損失が生じた場合、その損失額を翌年以後3年間にわたって各年分の所得から差し引ける場合があります。
また、前年も青色申告をしている場合は、一定の要件のもとで純損失を前年に繰り戻し、所得税の還付を受けられる場合もあります。
赤字なら必ず給与所得と相殺できるわけではない
副業の赤字については、所得区分や損益通算の対象になるかなどを確認する必要があります。
特に雑所得の赤字と事業所得の赤字を同じように扱わないよう注意しましょう。

注意点① 青色申告承認申請書の提出が必要
青色申告を始めるには、原則として「所得税の青色申告承認申請書」を期限までに提出する必要があります。
「確定申告のときに青色申告を選択すればよい」という仕組みではありません。
原則として、青色申告をしようとする年の3月15日までに申請します。
その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業開始日から2か月以内です。
開業届とは提出期限が異なるため、混同しないよう注意しましょう。
注意点② 帳簿を作成・保存する必要がある
青色申告を利用する場合は、日々の取引を記帳し、必要な帳簿や書類を保存します。
さらに、65万円・55万円の青色申告特別控除を受ける場合は、正規の簿記の原則による記帳などの要件があります。
副業の取引件数が増えると、売上や経費を後からまとめて整理する負担も大きくなります。
そのため、青色申告を選ぶ場合は、確定申告の直前だけではなく日頃から記帳する仕組みを作っておくことが大切です。
帳簿の基本はこちらの記事で詳しく解説しています。
注意点③ 青色申告が必ず得とは限らない
青色申告には税制上の特典がありますが、すべての副業初心者に対して「必ず青色申告のほうが得」とは断定できません。
そもそも副業の所得が青色申告制度の対象になるかを確認する必要があります。
また、帳簿作成の負担、所得金額、利用できる制度なども人によって異なります。
「65万円控除があるから青色申告にする」という理由だけではなく、自分の副業の実態と必要な手続きを確認して判断しましょう。
青色申告を検討する順番
① 副業の所得区分を確認する
② 青色申告の対象になるか確認する
③ 青色申告承認申請書の期限を確認する
④ 必要な帳簿・申告方法を確認する
⑤ 利用できる控除・制度を確認する
次は、白色申告のメリット・注意点と「白色申告なら簡単だから帳簿はいらない」という誤解について詳しく解説します。
白色申告のメリット・注意点
青色申告の承認を受けていない場合の申告は、一般に「白色申告」と呼ばれています。
白色申告には、青色申告のような青色申告承認申請書の提出はありません。
そのため、「副業初心者なら白色申告のほうが簡単そう」と感じる方もいるでしょう。
ただし、白色申告なら帳簿や書類の管理をしなくてよいわけではありません。
青色申告との違いを理解したうえで、自分に必要な手続きを確認することが大切です。

メリット① 青色申告承認申請書の提出は不要
白色申告では、青色申告を始める場合に必要となる「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要はありません。
青色申告では、原則として青色申告をしようとする年の3月15日まで、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は事業開始日から2か月以内という申請期限があります。
白色申告には、この青色申告承認申請の手続がない点が違いの一つです。
ただし、「事前申請がない=確定申告や記帳が不要」という意味ではありません。
メリット② 青色申告特別控除の要件を満たす必要はない
白色申告では、65万円・55万円・10万円の青色申告特別控除を利用する仕組みではありません。
そのため、65万円・55万円の青色申告特別控除を受けるために必要となる正規の簿記の原則による記帳などの要件を、青色申告特別控除のために満たす必要はありません。
一方で、これは「白色申告なら売上や経費を記録しなくてよい」という意味ではありません。
白色申告者にも記帳・帳簿書類の保存制度があります。
注意点① 白色申告でも記帳が必要
白色申告について最も注意したいのが、帳簿に関する誤解です。
国税庁では、事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき業務を行うすべての白色申告者について、記帳・帳簿等の保存制度を案内しています。
日々の売上や仕入れ、必要経費などについて、取引年月日、相手方の名称、金額などを帳簿に記載します。
記帳については、一つひとつの取引を詳細に記載する方法だけではなく、一定の場合に日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法も認められています。
白色申告=帳簿不要ではない
青色申告の承認を受けていなくても、対象となる白色申告者には記帳・帳簿等の保存制度があります。
「白色なら何も記録しなくていい」と考えないようにしましょう。
注意点② 帳簿や書類を一定期間保存する
白色申告では、記帳した帳簿だけでなく、請求書や領収書などの書類についても一定期間保存する必要があります。
国税庁が案内している主な保存期間は次のとおりです。
| 帳簿・書類 | 保存期間 |
|---|---|
| 収入金額や必要経費を記載した法定帳簿 | 7年 |
| 業務に関して作成したその他の帳簿 | 5年 |
| 決算に関して作成した棚卸表など | 5年 |
| 業務に関して受領した請求書・納品書・送り状・領収書など | 5年 |
なお、電子取引で受け取った請求書や領収書などについては、電子帳簿保存法に基づく電子データの保存についても確認する必要があります。
白色申告で覚えておきたい数字
法定帳簿:7年間
一定のその他の帳簿・書類:5年間
白色申告でも、確定申告が終わったらすぐに帳簿や領収書を処分しないようにしましょう。
注意点③ 青色申告の特典は利用できない
白色申告では、青色申告者に設けられている青色申告特別控除を利用できません。
また、青色事業専従者給与や青色申告者の純損失の繰越しなどについても、青色申告と同じ制度を利用するものではありません。
そのため、事業を継続していく場合は、単純に「白色申告のほうが簡単そう」という理由だけで判断するのではなく、青色申告の手続やメリットについても比較するとよいでしょう。
ただし、前述したとおり、副業の所得が青色申告制度の対象となることが前提です。
青色申告と白色申告はどちらが簡単?
一般的には、青色申告の65万円・55万円控除を受ける場合、正規の簿記の原則による記帳などが必要になるため、白色申告より帳簿作成のハードルが高いと感じる方もいるでしょう。
一方、現在は白色申告でも記帳・帳簿等の保存が必要です。
そのため、
「青色申告は帳簿が必要だから大変、白色申告なら帳簿不要だから簡単」
という比較は正確ではありません。
会計ソフトなどを利用して日頃から取引を記録しておけば、確定申告直前に1年分をまとめて整理する負担を減らすこともできます。
白色申告を検討するときのポイント
✓ 青色申告承認申請は不要
✓ ただし記帳は必要
✓ 帳簿・書類の保存も必要
✓ 青色申告特別控除は利用できない
✓ 青色申告を利用できる所得なら、両者の違いを確認して判断する
副業で青色申告を始める方法
副業で青色申告を検討する場合は、いきなり青色申告承認申請書を提出するのではなく、順番に確認していくと分かりやすくなります。
基本的には、
所得区分を確認 → 青色申告の対象か確認 → 申請期限を確認 → 帳簿を準備 → 確定申告
という流れで考えます。

STEP1 副業の所得区分を確認する
最初に、自分の副業から生じる所得がどの所得区分に該当するのかを確認します。
青色申告制度の対象となるのは、不動産所得・事業所得・山林所得を生ずべき業務を行う人です。
会社員の副業が業務に係る雑所得に該当する場合は、青色申告を選択して青色申告特別控除を受ける仕組みではありません。
そのため、「副業収入が増えてきたから青色申告にする」と収入額だけで決めないことが大切です。
STEP2 青色申告承認申請書の期限を確認する
青色申告の対象となる所得があり、青色申告を希望する場合は、「所得税の青色申告承認申請書」の提出を確認します。
提出期限は原則として、青色申告をしようとする年の3月15日までです。
その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業開始日から2か月以内となります。
期限を過ぎた場合、その年から青色申告を利用できないことがあるため、事業を始めた段階で確認しておきましょう。
開業届とは期限が違う
2026年1月1日以後の開業届は、その事実が生じた年の確定申告書の提出期限までとなっています。
しかし、青色申告承認申請書には別の期限があります。
開業届の期限だけを見て、青色申告の申請を後回しにしないよう注意しましょう。
開業届についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
STEP3 日々の取引を記帳する
青色申告をする場合は、日々の取引を帳簿へ記録します。
特に65万円・55万円の青色申告特別控除を受ける場合は、正規の簿記の原則による記帳などの要件を確認する必要があります。
副業であっても、売上や経費の取引が増えると、確定申告直前にまとめて整理するのは大きな負担になります。
できるだけ日頃から記帳する習慣を作っておきましょう。
帳簿についてはこちらの記事で基本から確認できます。
STEP4 必要な書類・データを保存する
帳簿だけではなく、取引に関係する請求書や領収書なども保存します。
副業用の銀行口座やクレジットカードを分けておくと、生活用の取引と副業の取引を整理しやすくなる場合があります。
ただし、副業をするために専用口座や専用カードを必ず用意しなければならないわけではありません。
自分の取引量や管理方法に合わせて検討しましょう。
STEP5 確定申告をする
確定申告の時期になったら、日頃記帳してきた帳簿などをもとに所得を計算し、必要な申告を行います。
青色申告特別控除を利用する場合は、自分が受けようとする控除額の要件を満たしているかも確認します。
特に65万円控除では、55万円控除の要件に加え、e-Taxによる申告または優良な電子帳簿保存などの追加要件があります。
青色申告承認申請書を提出しただけで、毎年自動的に65万円控除を受けられるわけではありません。
副業の確定申告の具体的な手順はこちらの記事で解説しています。
会計ソフトを利用する方法もある
青色申告では、特に複式簿記による記帳を初めて行う場合、「何をどう入力すればいいのか分からない」と感じることがあります。
その場合は、会計ソフトを利用して日々の取引を管理する方法もあります。
銀行口座やクレジットカードとの連携、仕訳入力、決算書類の作成などを効率化できるサービスもあります。
ただし、会計ソフトを利用すれば税務上の判断まで自動的に正しくなるとは限りません。
所得区分や必要経費など、判断が必要な部分は国税庁の情報や専門家への確認も利用しましょう。
副業で青色申告を始める5STEP
STEP1 所得区分を確認する
STEP2 青色申告承認申請書を確認する
STEP3 日々の取引を記帳する
STEP4 帳簿・請求書・領収書などを保存する
STEP5 要件を確認して確定申告する
次は、副業の青色申告・白色申告でよくある質問を整理し、記事全体をまとめます。
副業の青色申告・白色申告でよくある質問
Q.副業なら青色申告と白色申告を自由に選べますか?
副業をしているという理由だけで、青色申告と白色申告を自由に選べるわけではありません。
まず、自分の副業から生じる所得がどの所得区分に該当するのかを確認する必要があります。
青色申告制度の対象となるのは、国税庁が案内する不動産所得・事業所得・山林所得を生ずべき業務を行う人です。
会社員の副業が業務に係る雑所得に該当する場合は、青色申告を選択して青色申告特別控除を受ける仕組みではありません。
Q.雑所得でも青色申告できますか?
雑所得は、青色申告制度の対象となる所得には含まれていません。
そのため、副業による所得が雑所得に該当する場合に、「65万円控除を受けたいから青色申告にする」ということはできません。
副業の所得が事業所得なのか雑所得なのかは、単純に収入金額だけで判断するものではありません。
判断が難しい場合は、国税庁の情報を確認したうえで、税務署や税理士などへ相談しましょう。
Q.青色申告にすれば65万円控除されますか?
青色申告を選んだだけで、自動的に65万円の青色申告特別控除を受けられるわけではありません。
2026年分までの65万円控除では、55万円控除の要件を満たしたうえで、e-Taxによる申告または優良な電子帳簿保存などの追加要件を満たす必要があります。
また、65万円は税金から直接65万円を差し引くという意味ではありません。
青色申告特別控除は、一定の要件を満たした場合に所得金額から差し引く制度です。
「65万円控除」の2つの誤解に注意
× 青色申告にすれば自動的に65万円控除
× 税金がそのまま65万円安くなる
どちらも正確ではありません。
Q.白色申告なら帳簿はいりませんか?
白色申告でも、対象となる人には記帳・帳簿等の保存が必要です。
国税庁では、事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき業務を行う白色申告者について、記帳・帳簿等の保存制度を案内しています。
収入金額や必要経費を記載した法定帳簿は7年間、一定のその他の帳簿・書類は5年間保存します。
「白色申告=帳簿不要」と考えないようにしましょう。
Q.会社員でも青色申告できますか?
会社員であることだけを理由に、青色申告ができないわけではありません。
本業で給与所得を得ながら、別に青色申告制度の対象となる所得を生ずべき業務を行うケースは考えられます。
重要なのは「会社員かどうか」だけではなく、副業から生じる所得の区分や青色申告の要件を満たしているかです。
Q.開業届を出せば青色申告できますか?
開業届を提出しただけでは、青色申告の承認を受ける手続は完了しません。
青色申告を希望する場合は、原則として別途「所得税の青色申告承認申請書」を期限までに提出する必要があります。
また、開業届を提出したという事実だけで、副業の所得が自動的に事業所得になるわけでもありません。
Q.青色申告承認申請書はいつまでに出しますか?
原則として、青色申告をしようとする年の3月15日までです。
ただし、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業開始日から2か月以内です。
2026年1月1日以後の開業届は提出期限が変更されていますが、青色申告承認申請書まで同じ期限になったわけではありません。
青色申告を検討している場合は、開業届とは別に期限を確認しましょう。
Q.青色申告と白色申告は結局どちらがいいですか?
すべての副業に対して、どちらがよいと一律に決めることはできません。
まず、副業から生じる所得が青色申告制度の対象となるかを確認します。
そのうえで、事業を継続して行い、必要な記帳や申請を行えるのであれば、青色申告の税制上の特典を確認する価値があります。
一方、青色申告を選択しない場合でも、対象となる白色申告者には記帳・帳簿等の保存が必要です。
「どちらが簡単か」だけではなく、自分の所得区分・事業の状況・必要な手続を確認して判断しましょう。
まとめ|副業の青色申告・白色申告は所得区分から考えよう
副業の確定申告を考えるときは、最初から「青色申告と白色申告のどちらがお得か」だけで判断しないことが大切です。
まず、自分の副業から生じる所得がどの所得区分に該当するのかを確認しましょう。
今回のポイントをまとめます。
- 副業だから青色申告と白色申告を自由に選べるわけではない
- 青色申告制度の対象は不動産所得・事業所得・山林所得を生ずべき業務を行う人
- 業務に係る雑所得は青色申告制度の対象となる所得ではない
- 開業届を出しただけで事業所得になるわけではない
- 2026年分までの青色申告特別控除は最高65万円・55万円・10万円
- 65万円控除にはe-Tax等の追加要件がある
- 65万円控除=税金が65万円安くなるという意味ではない
- 白色申告でも対象者には記帳・帳簿等の保存が必要
- 白色申告の法定帳簿は7年間、一定のその他の帳簿・書類は5年間保存
- 青色申告を始める場合は青色申告承認申請書の期限に注意する
副業初心者が判断する順番
① 副業の所得区分を確認
↓
② 青色申告制度の対象になるか確認
↓
③ 青色・白色の違いを比較
↓
④ 必要な申請・帳簿を準備
↓
⑤ 確定申告
青色申告には税制上の特典がありますが、「副業なら青色申告にしたほうがお得」と単純に判断するのは避けましょう。
所得区分、申請期限、帳簿、控除の要件まで確認したうえで、自分に必要な申告方法を判断することが重要です。
なお、国税庁では2027年分から青色申告特別控除に関する制度変更を案内しています。
この記事の65万円・55万円・10万円の説明は、2026年分までの制度を基準としています。
2027年分以後の確定申告を行う場合は、その時点の最新情報を確認してください。
参考・出典
この記事は、2026年8月21日時点で確認した国税庁の公式情報をもとに作成しています。
※税制・控除額・申請期限・適用要件は変更される可能性があります。実際に申告する際は、国税庁の最新情報をご確認ください。
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