副業の住民税はいくら?会社員向けに仕組みを解説

「副業を始めたら、住民税はいくら増える?」
「副業の利益が少なくても住民税はかかる?」
「会社員は給料から住民税が引かれているけど、副業分はどうなるの?」
副業で収入を得るようになると、気になる税金のひとつが住民税です。
会社員の場合、普段は給与から住民税が天引きされていることが多いため、自分で税額を計算したことがない方も多いでしょう。
しかし、副業によって所得が増えると、その所得が翌年度の住民税に影響することがあります。
この記事のポイント
住民税は、基本的に前年の所得をもとに計算されます。
そのため、副業で所得が増えれば、翌年度の住民税が増える可能性があります。
この記事では、副業初心者の会社員に向けて、住民税の仕組み・いつ払うのか・副業するとどのくらい増える可能性があるのかを順番に解説します。
なお、「副業が住民税から会社に知られる可能性」については別の記事で詳しく解説します。
まずは、住民税そのものの仕組みから理解していきましょう。
副業をすると住民税はいくらかかる?
最初に知っておきたいのは、副業だけに一律で決まった住民税がかかるわけではないということです。
住民税は、本業の給与や副業などによる前年の所得をもとに計算されます。
個人住民税には、大きく分けて「所得割」と「均等割」があります。
- 所得割:前年の所得金額に応じて負担する部分
- 均等割:一定の所得がある人などが定額で負担する部分
副業によって所得が増えたときに、特に関係してくるのが所得割です。
住民税の所得割は標準的に合計10%
個人住民税の所得割の標準税率は、一般的に次のようになっています。
- 都道府県民税:4%
- 市区町村民税:6%
- 合計:10%
たとえば、東京都では都民税4%と区市町村民税6%で、合計10%です。
ただし、実際の住民税額は所得控除や税額控除などを反映して計算されるため、単純に「副業所得×10%」だけで最終的な納税額が決まるわけではありません。
「副業で稼いだ金額の10%」とは限らない
住民税は「収入」そのものではなく、所得や各種控除などをもとに計算されます。
副業で得た売上の10%をそのまま住民税として払う、と考えないようにしましょう。
また、自治体によって税率などが異なる場合があります。
自分の正確な住民税額を確認したい場合は、住んでいる市区町村の案内を確認することが大切です。

副業の「収入」と「所得」は違う
住民税を理解するうえで重要なのが、「収入」と「所得」を分けて考えることです。
たとえば、ブログなどの副業で年間30万円の売上があり、その収入を得るために必要な経費が10万円かかったとします。
単純化すると、
30万円(収入)-10万円(必要経費)=20万円(所得)
という考え方になります。
所得ってなに?
所得とは、基本的には収入から、その収入を得るために必要となった経費などを差し引いて求める金額です。
ただし、所得の種類によって計算方法は異なります。
副業の必要経費について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
副業所得20万円なら住民税は約2万円増える?
住民税の所得割が標準的に10%と聞くと、
「副業所得が20万円なら、住民税は2万円増えるの?」
と考える方もいるでしょう。
20万円×10%で計算すれば2万円になるため、住民税の仕組みを理解するための大まかなイメージとしては分かりやすい計算です。
しかし、これは実際の住民税額を確定する計算ではありません。
住民税では、給与を含めた所得や所得控除、税額控除などをもとに最終的な税額が決まります。
そのため、この記事では「副業所得が20万円なら必ず住民税が2万円増える」とは考えません。
まずは「約10%」を目安として理解する
副業初心者の段階では、「副業で所得が増えると、その分が翌年度の住民税にも影響する」「所得割の標準税率は合計10%」という2点を押さえておきましょう。
住民税は「今年の副業」にすぐかかるわけではない
副業の住民税で覚えておきたいもうひとつのポイントが、住民税は前年の所得をもとに計算されるということです。
つまり、副業を始めて利益が出たからといって、その月からすぐに住民税が増えるわけではありません。
たとえば、2026年中に副業で所得を得た場合、その所得は原則として2027年度の住民税に反映されます。
会社員で住民税が給与から特別徴収されている場合、通常は6月から翌年5月まで給与から徴収されます。
この「所得を得た時期」と「住民税を払う時期」のズレが、副業初心者には少し分かりにくいところです。

2026年に副業所得が発生した場合
2026年中の所得をもとに住民税が計算され、原則として2027年度の住民税に反映されます。
会社員の給与から特別徴収される場合は、通常6月から翌年5月にかけて徴収されます。
このように、副業の住民税を考えるときは、「いくら稼いだか」だけでなく「いつの所得が、いつの住民税に反映されるのか」も理解しておくことが大切です。
副業所得が20万円以下でも住民税は関係する
副業の税金について調べていると、よく目にするのが「副業は20万円以下なら確定申告しなくていい」という情報です。
ここで注意したいのが、所得税の確定申告と住民税の申告は同じではないということです。
一定の要件を満たす会社員は、給与所得以外の所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告が不要となる場合があります。
しかし、これは「20万円以下なら住民税も申告しなくていい」という意味ではありません。
「20万円以下=税金の手続きがすべて不要」ではない
20万円という基準は、一定の給与所得者が所得税の確定申告をする必要があるかを判断するときに使われる基準です。
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。

所得税と住民税は別の税金
そもそも、所得税と住民税は別の税金です。
- 所得税:国に納める国税
- 住民税:都道府県や市区町村に納める地方税
そのため、所得税の確定申告が不要になったからといって、自動的に住民税についても申告不要になるとは限りません。
たとえば、会社員が本業とは別に副業をして、給与所得以外の所得が15万円だったとします。
一定の要件を満たして所得税の確定申告が不要となった場合でも、住所地の自治体へ住民税の申告が必要になることがあります。
20万円は「収入」ではなく「所得」で判断する
副業で30万円の収入があって必要経費が15万円なら、単純化した場合の所得は15万円です。
「売上が20万円を超えたか」だけで判断しないようにしましょう。
副業にかかる税金全体と20万円の基準については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
確定申告をした場合は住民税の申告を別にする必要はない?
所得税の確定申告をした場合、その申告内容は住民税の計算にも利用されます。
そのため、通常は所得税の確定申告とは別に、同じ所得について住民税の申告をもう一度行う必要はありません。
一方で、所得税の確定申告をしない場合は、副業所得について住所地の市区町村への住民税申告が必要になることがあります。
会社員が覚えておきたい基本
確定申告をした場合 → その内容が住民税にも反映される
確定申告をしない場合 → 住民税の申告が必要か住所地の自治体で確認する
なお、申告が必要かどうかは、副業の所得の種類や本人の状況などによって異なる場合があります。
「20万円以下だから何もしなくていい」と自己判断せず、確定申告をしない場合は、住んでいる市区町村の住民税申告の案内を確認しましょう。
確定申告が必要になる基準について詳しく確認したい方は、こちらの記事を参考にしてください。
副業の住民税はどうやって納める?
副業の住民税を理解するうえで、もうひとつ知っておきたいのが納付方法です。
住民税の主な納付方法には、「特別徴収」と「普通徴収」があります。
特別徴収とは
特別徴収とは、会社などの給与支払者が毎月の給与から住民税を差し引き、本人に代わって自治体へ納付する方法です。
会社員の住民税は、原則としてこの特別徴収によって納めます。
通常は、前年の所得をもとに計算された住民税を6月から翌年5月までの給与から納めていきます。
普通徴収とは
普通徴収とは、自治体から送られてくる納税通知書などを使って、自分で住民税を納付する方法です。
一般的には、自治体から送付される納税通知書に従って納付します。
特別徴収と普通徴収の違い
特別徴収:給与から住民税が差し引かれる
普通徴収:納税通知書などを使って自分で納める

副業をしている会社員の場合、「副業分の住民税を普通徴収にできるの?」と気になる方もいるでしょう。
ただし、副業の所得の種類や自治体の取り扱いなどによって状況が異なるため、「普通徴収を選べば必ず副業分を自分で納められる」とは断定できません。
この点は「副業が会社にバレるか」というテーマとも深く関係するため、次の記事で詳しく解説します。
会社員は納付方法にも注意
住民税には特別徴収と普通徴収がありますが、副業分の住民税をどの方法で納められるかはケースによって異なります。
実際の取り扱いは住所地の市区町村へ確認しましょう。
副業の住民税はいくら増える?金額の目安をシミュレーション
ここまで住民税の仕組みを説明してきましたが、実際に気になるのは「副業をすると住民税がどのくらい増えるのか」ではないでしょうか。
ここでは、副業所得が10万円・20万円・30万円・50万円の場合を例に、住民税の所得割がどのくらい増える可能性があるのかを見てみましょう。
なお、以下は仕組みを理解するために所得割の標準税率10%を単純に掛けた概算です。
実際の住民税額は、本業を含む所得や所得控除、税額控除、自治体の取り扱いなどによって異なります。
以下の金額はあくまで目安です
「副業所得×10%」で実際の住民税額が確定するわけではありません。
自分の正確な税額については、住所地の市区町村から届く住民税の通知などで確認してください。
副業所得10万円の場合
副業所得が10万円増えた場合、所得割の標準税率10%だけを使って単純計算すると、
10万円 × 10% = 約1万円
となります。
つまり、副業による所得が10万円増えた場合、住民税の所得割が約1万円増えるというイメージです。
副業所得20万円の場合
副業所得が20万円なら、同じ考え方で、
20万円 × 10% = 約2万円
となります。
ただし、パート2で解説したように、「20万円以下だから住民税がかからない」という意味ではありません。
所得税の確定申告で使われる「20万円」という基準と、住民税は分けて考える必要があります。
副業所得30万円の場合
副業所得が30万円なら、
30万円 × 10% = 約3万円
がひとつの目安になります。
副業所得50万円の場合
副業所得が50万円なら、
50万円 × 10% = 約5万円
がひとつの目安になります。
ここまでをまとめると、次のようになります。
| 副業所得 | 10%で単純計算した目安 |
|---|---|
| 10万円 | 約1万円 |
| 20万円 | 約2万円 |
| 30万円 | 約3万円 |
| 50万円 | 約5万円 |

住民税まで考えて副業のお金を管理しよう
副業で得たお金をすべて使ってしまうと、翌年度に住民税が増えたときに負担を感じる可能性があります。
副業で所得が出たら、税金の支払いも想定してお金を管理しておくと安心です。
副業の住民税で会社員が注意したいポイント
副業の住民税では、税率だけを覚えておけばよいわけではありません。
会社員が副業を始めるなら、特に次のポイントを押さえておきましょう。
「売上」ではなく「所得」を確認する
まず注意したいのが、副業の売上と所得を混同しないことです。
たとえば、副業の年間売上が50万円でも、その収入を得るために必要経費が20万円かかったとします。
単純化すると、
50万円(収入)-20万円(必要経費)=30万円(所得)
となります。
住民税を考えるときも、売上だけを見るのではなく、所得がいくらになったのかを確認することが重要です。
ただし、副業の種類によって所得区分や所得の計算方法が異なるため、すべての副業で単純に「売上-経費」となるわけではありません。
必要経費について分からない場合は、先にこちらの記事を確認しておくと理解しやすくなります。
住民税は翌年度に影響する
副業で所得が増えたときに注意したいのが、住民税を支払うタイミングです。
住民税は前年の所得をもとに計算されるため、副業で利益が出た年と、住民税に反映される時期にはズレがあります。
今年の副業が好調だったからといって、収入をすべて使ってしまうのではなく、翌年度の税負担も考えておきましょう。
副業収入は税金分も考えて管理する
副業で利益が出るようになったら、「稼いだ金額」だけを見るのではなく、必要経費や税金を含めて管理する習慣をつけることが大切です。
副業分の住民税の徴収方法を確認する
会社員の場合、本業の給与にかかる住民税は原則として給与から天引きされる特別徴収です。
一方、給与・公的年金等以外の所得に対する住民税については、確定申告の際に「特別徴収(給与から天引き)」または「自分で納付」を選択できる場合があります。
ただし、副業がアルバイトなどの給与所得である場合は同じように考えることができません。
また、具体的な徴収方法については自治体による確認が必要です。
「自分で納付」を選べば必ず会社に知られない、とは限らない
住民税の徴収方法と会社への副業の伝わり方は、所得の種類や自治体の取り扱いなども関係します。
「普通徴収にすれば絶対に大丈夫」と考えないようにしましょう。
住民税には「特別徴収」と「自分で納付する方法」があり、副業の所得の種類などによって取り扱いが変わるというところまで押さえておけば十分です。
確定申告や住民税の申告を忘れない
副業所得が増えてきたら、税金の申告が必要かどうかも確認しましょう。
特に注意したいのが、所得税の確定申告が不要だからといって、住民税についても何もしなくてよいとは限らないことです。
副業所得が20万円以下の場合も含め、確定申告をしない場合は、住所地の市区町村で住民税の申告が必要か確認しましょう。
確定申告が必要になる基準については、こちらの記事で詳しく解説しています。
副業の住民税で覚えておきたい4つ
① 売上ではなく所得を確認する
② 住民税は翌年度に影響する
③ 副業分の徴収方法を確認する
④ 必要な申告を忘れない
副業の住民税についてよくある質問
最後に、副業の住民税について会社員が疑問に感じやすいポイントをまとめます。
副業所得が20万円以下なら住民税はかからない?
「20万円以下なら住民税がかからない」とは限りません。
一定の給与所得者について使われる「20万円」という基準は、所得税の確定申告が必要かどうかを判断するときの基準です。
所得税の確定申告が不要となる場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。
確定申告をしない場合は、住所地の市区町村で住民税申告が必要か確認しましょう。
副業で10万円稼いだら住民税はいくら?
副業の「所得」が10万円増えた場合、所得割の標準税率10%だけを使って単純計算すると、約1万円がひとつの目安になります。
ただし、実際の住民税額は本業を含めた所得や所得控除、税額控除などによって変わります。
「副業所得10万円なら必ず1万円増える」という意味ではありません。
副業で30万円稼いだら住民税はいくら?
副業所得が30万円増えた場合、10%で単純計算すると約3万円が目安です。
こちらも実際の住民税額を確定する計算ではなく、住民税の負担感をイメージするための概算です。
「稼いだ金額」と「所得」は分けて考える
副業で30万円の売上があっても、必要経費などによって所得金額は変わります。
住民税を考えるときは、売上だけではなく所得を確認しましょう。
副業の住民税はいつから増える?
住民税は基本的に前年の所得をもとに計算されます。
たとえば、2026年中に副業所得が増えた場合、その所得は原則として2027年度の住民税に反映されます。
給与所得者の住民税が特別徴収される場合は、通常6月から翌年5月まで毎月の給与から徴収されます。
副業の住民税は自分で払える?
住民税には、給与から差し引かれる「特別徴収」と、納税通知書などを使って自分で納付する「普通徴収」があります。
ただし、副業所得の種類や自治体の取り扱いなどによって状況が異なります。
副業分について必ず普通徴収を選択できるとは限らないため、実際の取り扱いは住所地の市区町村へ確認してください。
住民税から副業が会社にバレる?
副業をしている会社員にとって、特に気になる部分でしょう。
住民税の通知や徴収方法が、副業を会社に知られるきっかけになる可能性はあります。
ただし、「副業をすると必ず会社にバレる」「普通徴収にすれば絶対にバレない」と断定することはできません。
所得の種類や自治体の取り扱いなども関係します。
このテーマは住民税そのものの仕組みとは検索意図が異なるため、次の記事で詳しく解説します。

まとめ|副業を始めたら翌年の住民税まで考えておこう
副業を始めると、売上や利益だけに目が向きがちですが、住民税まで含めてお金を管理することが大切です。
今回のポイントをまとめます。
- 住民税は基本的に前年の所得をもとに計算される
- 所得割の標準税率は都道府県民税4%+市区町村民税6%の合計10%
- 副業の「収入」と「所得」は同じではない
- 副業所得20万円以下でも住民税の申告が必要になる場合がある
- 会社員の住民税は原則として給与から特別徴収される
- 副業分の徴収方法は所得の種類や自治体の取り扱いなどによって異なる
副業で利益が出たら「翌年の税金」まで考える
副業で得たお金をすべて使うのではなく、翌年度の住民税なども想定して管理しておきましょう。
収入・必要経費・所得を記録しておくと、確定申告や住民税を確認するときにも役立ちます。
副業の住民税を理解したら、次は税金全体・確定申告・必要経費についても確認しておくと、副業のお金を管理しやすくなります。
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また、副業と住民税について調べている方の中には、「住民税が原因で会社に副業を知られることはある?」と不安に感じている方もいるでしょう。
住民税と会社への副業の伝わり方については、次の記事で詳しく解説します。
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